静岡商vsいなべ総合 4点ビハインドを一気に逆転!その勢いでコールドへ!
注目されたいなべ総合・石垣幸大投手
4点ビハインドを一気に逆転!その勢いでコールドへ!
朝に降った雨の影響で、砂入れ作業などが必要となって、試合開始が30分遅れて始まった。
いなべ総合には、140キロを超えるストレートがある179センチの右腕・石垣 幸大君(2年)が注目されている。そのいなべ総合が1回に2番小坂洋人君、3番水谷祐斗君の連続二塁打を含めて、二度の3連打などで4点を先取。一気に主導権を握ったかに思われた。ところがその直後の2回、静岡商は猛反撃に出た。この回に入る前に、大代茂雄監督は意図的に怒鳴って、選手の気持ちに着火させるために演出したという。それが、即効を示して一挙7点が入るビッグイニングとなった。この回、静岡商は一死二塁で7番高須君がレフト線へ二塁打を放って1点を返す。さらに、野手の落球もあって一、二塁となったところで、9番牧野君がレフト前ヒットを放ち、二塁走者が還った。打順は1番に戻って小堺君が左中間へ二塁打を放ち、1点差となった。同点を狙ったスクイズがフィルダースチョイスとなって、同点。なおも一死一、三塁で3番望月君が右中間への三塁打を放ち、二者が還って逆転した。続く國松君もレフト前タイムリーを放ってこの回7点目が入った。國松歩君(2年)は体もしっかりしており、どっしりとした感じの4番打者だが、バットコントロールも上手いという印象だった。
3回にも静岡商は失策や暴投も絡んでさらに2点を追加する。こうなると、いなべ総合の尾崎英也監督も、さすがにエース石垣君を諦めざるを得なくなってきた。結局、石垣君は3イニングで自責点0ながら9失点という珍記録になって降板ということになってしまった。
静岡商は2人目の市川純輝君(2年)に対しても、4回に加藤君がタイムリーを放ち加点。試合の流れはすっかり静岡商のものになっていった。
静岡商・牧野孝亮投手
この大会になって、初めて背番号1を貰ったという静岡商の牧野孝亮君(2年)だが、さすがに初回は少し硬かったようだ。それでも、味方がすぐに取り返してくれたことで、2回以降はすっかり自分の投球を取り戻すことが出来た。大代監督は、「最初のキャッチボールから、本当に一生懸命にやる子で、真面目で努力家なんですよ。だげど、さすがにちょっと今日は、入りは硬かったですね」と初回の4失点をかばっていた。結果的には、早い回でひっくり返せたということも大きかった。「初回の4点の失点があったから、かえって開き直れたんじゃないでしょうか。あれが、1点を争うような競った展開だったら、慎重になってしまってこんなことにはならなかったんじゃないでしょうか」と、大代監督は結果的に初回の4失点も吉だったと振り返っていた。
思わぬ大敗となってしまったいなべ総合の尾崎監督は、「信じられないミスが1イニングに2つも出た。(石垣投手もミスで投球リズムが)おかしくなって、それを凌ぐだけの力がないということですよ。東海大会に出られて、レベルの違いを見せつけられて、また頑張らなくてはいけないということです」と、最後には来年へ向けての立て直しを見据えていた。
(文=手束 仁)