関東一vs都立王子総合 横綱野球の関東一、都立王子総合を下し3回戦へ
先制点を挙げる関東一
秋季東京都大会4日目。明治神宮第二球場で行われた第2試合は、2011年に秋季大会を制し、翌2012年の春の選抜大会で準決勝に進出した関東一に、その2011年から活動を開始した、創部3年目で本大会に出場を果たした都立王子総合が挑んだ。
2回、都立王子総合がチャンスを得る。一死から5番・中村 佳治、6番・岩岬 稜が連続死球で出塁。一人倒れた後、8番・佐藤 遥斗が四球を選び、二死満塁。先制のチャンスに湧く都立王子総合。しかし続く9番・堀田 太郎は打球を飛ばすもレフトフライとなり、先制点を挙げることは出来なかった。
3回、関東一は一死から1番・熊井 智啓がライトへの三塁打を放ち出塁。続く2番・伊藤 雅人が放った打球はセンターへの犠牲フライ。関東一が1点を先制する。さらに3番・大川 公輝、4番・山口 太誠が四死球で出塁。二死一、二塁となおもチャンスが続く。都立王子総合とすると、このままずるずると勢いづかせたくないところ。見事後続を内野ゴロに打ち取り、この回を1点に抑えた。
しかし関東一打線はなおも、都立王子総合にじわりじわりと圧力をかけていく。 4回、関東一は二つの四球で二死一、二塁のチャンスを得る。ここで打席に立つのは、先ほど三塁打を放ち、先制のホームを踏んだ1番・熊井。打球はレフト前へ。二塁から五十嵐 雅大が一気に還り、1点を追加。打った熊井は送球の間に二塁へと進塁する抜け目なさを見せ、二死二、三塁。続く2番・伊藤がセンターの当たりでランナーが一気に還り、2点。この回3点を追加する。
先発・佐藤遥斗(都立王子総合)
関東一はさらに、5回。一死から5番・森山 将が四球で出塁。ここで森山に代わり、代走として臼井 昂平が登場。臼井は早速仕事開始。盗塁を決め、一死二塁とすると、続く6番・池田 瞳夢の二塁打でホームへ還り、1点。8番・篠田 泰成が犠牲フライを放ち2点目。さらにワイルドピッチでもう1点。4回に引き続き、3点を追加する。
2回のチャンス以降、ここまで関東一先発・阿部 武士に抑えられ、なんとか一矢報いたい都立王子総合。この回先頭の3番・笹川 哲大がライトへ大きな打球を飛ばす。打球が転がり、ライトが処理をしている間に、笹川は二塁を蹴って一気に三塁を狙う。歓声が球場を包む中、関東一守備陣は落ち着いていた。冷静に打球を処理したライトから中継を挟み、三塁へストライクの返球。笹川は惜しくもアウトとなり、都立王子総合はチャンスを作り出すことは出来なかった。
結局、この後関東一・阿部が都立王子総合打線を完璧に抑え、7回コールド。7対0で関東一が勝利し、3回戦へと駒を進めることになった。
敗れた都立王子総合だが、創部3年目での本大会出場は見事の一言。最後は力尽きた格好となったが、生き生きと、ひたむきにプレーする姿に、スタンドからは大きな拍手が送られていた。この経験を生かし練習を重ね、春にはまた元気な姿を見せてくれることだろう。
(文=編集部)