技術封建制(Technology Feudalism)/純丘曜彰 教授博士
/ソフトウェアが時限利用権の販売に切り替わりつつある。これは、技術がパラダイムの天井に近づいて、アップデート価格が品質向上の差分に見合わなくなり、顧客が買い換えなくなったため。だが、業界支配による利用権販売は、実質的には顧客からの収奪ではないのか。/
技術の貸借を媒介とする保護と忠誠(納税)の契約からなる制度。ソフトウェアやコンテンツが、新しい社会関係の根幹となりつつある。かつて本やレコードは、モノであり、その所有権を買うことができた。それゆえ、その中古もまた、自分のモノとして転売することもできた。しかし、デジタル化によって、自動時限で、もしくは、リモートで即時に、商品を消滅させることが可能となり、メーカー側があくまで商品の所有権を保持し続けるようになりつつある。顧客は、その商品の時限利用権(サービス)を一時的に貸与されているにすぎず、定期納税によって利用権の更新をし続けなければならない。
たとえば、トランシーバー。かつては、それを買えば、それを永続的に使えた。だが、携帯電話は、毎月の通信費を払い続けなければ、通信を止められてしまう。ソフトウェアに関しても、アップデートは、もともと品質向上の差額負担であったが、もはやメーカー側がかってに打ち出す新標準規格へ追随対応するための定期納税となりつつある。そして、アドビその他、最新ヴァージョンの恒常的クラウド化を名目に、ソフトウェアそのものの販売を中止し、利用権の販売への切り換えが始まった。まして電子書籍などでは、当初から実質的に利用権のみの販売であり、顧客はコンテンツの所有権を持たない。
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技術の貸借を媒介とする保護と忠誠(納税)の契約からなる制度。ソフトウェアやコンテンツが、新しい社会関係の根幹となりつつある。かつて本やレコードは、モノであり、その所有権を買うことができた。それゆえ、その中古もまた、自分のモノとして転売することもできた。しかし、デジタル化によって、自動時限で、もしくは、リモートで即時に、商品を消滅させることが可能となり、メーカー側があくまで商品の所有権を保持し続けるようになりつつある。顧客は、その商品の時限利用権(サービス)を一時的に貸与されているにすぎず、定期納税によって利用権の更新をし続けなければならない。
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