写真は『ルパン三世カリオストロの城大事典』

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『ルパン三世』2nd series第155話「さらば愛しきルパンよ」
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これは必見です!
監督が、宮崎駿!
登場するヒロインが、どう見てもナウシカ!
ナウシカが乗るロボットが、ラピュタに出てくるロボット兵!
つまり、
ルパンと、ナウシカと、ロボット兵の夢の競演、濃密な20分強なのです!

いや、もう、のうがきを読んでるヒマがあったら、見るがよろし!
たった20分強! お昼休憩で見れます! クリーーーーック!
「ルパン三世 2nd series 第155話 さらば愛しきルパンよ」:GyaO

観た? 観た? 観た?
いやーーーすごかったね、すごい。

いきなり帝都東京に登場するロボット兵!
銭形が「まるでスーパーマンですな!」と言ってるのは、これ、1941年のフライシャー・スタジオ制作のスーパーマン「The Mechanical Monstersの巻」のオマージュなのだ。
ロボット兵の名が、ラムダってギリシア文字なのも、「天空の城ラピュタ」のヒロインがギリシア文字に由来するシータであることとシンクロする。

これでもかとたくさん出てくるパトカーや、カードを撒き散らして飛んでくシーンも、宮崎節で、ニヤニヤしてしまうが、この次に登場するロボット兵の操縦者である小山田真希、ナウシカにうりふたつ。 青き衣まとってるしな!
声も、ナウシカの声を演じている島本須美!
「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリスや、「となりのトトロ」ではサツキの母親、「もののけ姫」のトキの声なども演じている声優さんです。
さらに、銭形に責められて、「やめて! わたしは撃たなかった!」と叫んで泣くシーンの、泣き方! 「ナウシカ泣き」です。
もうここまでそっくりだと、すでにナウシカを知ってるモノが観ると、不思議で強烈な幻覚作用が!
なんで、ナウシカが、日本でロボットに乗ってるの!
ってな感じで、濃密な20分強の最後に配されるラストシーン、ルパンと次元と五右ェ門がフィアット500に乗って疾走するさまは、「ルパン三世 カリオストロの城」のオープニングにこのまま繋がっていくんじゃないかっていうシーンになっています。

「ルパン三世」は、モンキー・パンチの漫画が原作。アニメよりもアダルト、ハードボイルドな雰囲気。
2012年になっても、新作アニメ「LUPIN the Third -峰不二子という女-」が作られるほどの人気シリーズだが、最初のシーズン1の視聴率は良くなかった。
だが、再放送の視聴率がよくて、シーズン2が作れた。「さらば愛しきルパンよ」は、そのシーズン2の最終回。
宮崎駿は、平気で人を殺すシーズン2のルパン像に腹を立てて、その“ルパンは全部ニセモノだった”という思いから、この作品をつくったそうだ。
だから、自分の名を出すことにもためらいがあり、クレジット脚本・絵コンテ・演出に表記される名は、照樹務(てれこむ)になっている、とか。
まあ、宮崎駿節炸裂の本編を観れば、これが宮崎駿の別名であることは誰もがわかること。
アニメーションとしても、ものすごいデキであるうえに、宮崎駿が生み出した映像の原石がこのアニメの中に詰め込まれているのが、ばっちり体感できるだろう。(米光一成)