三が日など参道の真ん中が避けられない状況も!

写真拡大

正月は神社に初詣に行く人も多いだろう。ところで、神社の参拝ルールのひとつとしてよく聞くのが「参道の真ん中は歩かないほうがよい」というもの。参道の真ん中は正中(せいちゅう)と呼ばれ、神様の通り道とされているからだ。

とはいえ、有名神社の三が日など、押し合い圧し合いの大混雑。真ん中を歩かざるをえないこともある。もし絶対に歩いたり、踏んだりしてはいけないのであれば、ロープを張るなどして神社側が立ち入り禁止にしていてもおかしくないはずだが……。参拝客としてはどの程度気にすべきなのだろうか? 

そこで全国各地の神社に問い合わせてみた。結論からいうと、どうやらそこまで気にしなくてもいいようだ。神社によって多少ニュアンスの違いはあったが、
「絶対に通っていけないわけではないが、聖なる場所なのでなるべくなら避けたほうがよい」
というのがおおよその回答。都内のある神社の方いわく、
「人の前を横切るときは少し頭を下げますよね。それと同じ感覚で、正中を横切るときは立ち止まって軽くお辞儀をするとよいと思います」
参道の先には神様がいる。そのことを意識すれば、自然と真ん中を避けようという気持ちになるかもしれない。

一方で、まったく気にしなくてもよいという神社もあった。
「本殿のなかはともかく、参道では意識する必要はありません。神様の通り道といいますが、基本的に神様はウロウロ歩き回るわけではないので……」
そういわれれば、なるほどという気もする。
「ただ、神主は祭祀のときに正中を避けます。そういった慎み深さを麗しく思うのが日本人の風習ですから、自然と参拝客にも広まったのではないでしょうか」

いずれにしろ、関西の某神社の方がおっしゃっていた
「知らないから、通ったから、罰が当たるというものではありません。ただ、ご存知でしたら避けていただくのがよいかと思います」
というのが一番自然かつ賢明な対応かも。

ちなみに参道の歩き方以外にも、手水、二拝二拍手一拝など、神社で参拝するなら知っておきたい作法はいろいろある。最近はパワースポット人気もあって、若い人たちのあいだでも作法を気にする人、よく知っている人が増えてきているそう。不安のある人はぜひこの機会に復習し、気持ちよく新年のお参りをしてみては。
(古屋江美子)