寝袋の機能はそのままで、自由自在に動ける人型寝袋。

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暖房の設定温度を上げすぎない、電気はこまめに消すなど、多くの人が家で取り組んでいる冬の節電対策。そんな中、友人が家で着用する防寒着として「寝袋を購入する」というではないか。アウトドア派でもない友人が、購入したいというこの「ヒューマノイドスリーピングバッグ(人型寝袋)」(価格9,240円〜)。アウトドアブランド「ドッペルギャンガーアウトドア」を展開するビーズ株式会社の商品で、今年9月〜11月の3カ月間で6,500個以上の販売実績があるという人気商品だった。同社の開発担当者寺田さんに話を聞いた。

「人型寝袋」……。言葉の通り、見た目は人の形をしていて全身スキーウェアを着ているように見えるが、アウトドアはもちろん、野外フェス、車内など色々シーンで利用ができる寝袋なのだ。
「お客さまの声をお伺いするとキャンプだけではなく、暖房代を節約するために家の中で使われる方も多いようです。また、持ち運びも便利でいざというときに着用してもさっと動けることから、防災用として購入されている方もおられます。通常の寝袋であれば、例えばテント内外で移動する際には必ず寝袋から出なければいけませんが、人型寝袋は手足が出せるので寝袋を出る必要がなく、寝袋内の熱を逃さず体温を冷やさないという点もご好評いただいてます」(寺田さん)

2007年に同ブランドを立ち上げ、手を出すことができるドイツ軍の寝袋をベースに開発・改良を重ね、現在はカラフルなデザインに、サイズ、素材のバリエーションを増やし、用途や体型に応じて好みのタイプが選べる。毎年改良を重ねているという人型寝袋は人気を集め、昨年度と比べて同時期で約3倍以上の販売実績なのだとか。

「冷気を逃がさないようにファスナー内側にカバーを重ねたり、外側からだけでなく胴の部分に手を入れて内側からもチャックが開閉できるなど温度調節も可能です。あらゆる体型や気候に合わせて、サイズや通気性を調節できるベルクロテープを首もと、腰、ひざ部分に配置しています。両手先端部にもファスナーを装備し、着用したままでも様々な作業ができます」と機能性も高い。

従来の筒型寝袋の動き辛そうで窮屈なイメージを覆す人型寝袋。寝袋を着たまま本を読んだりコーヒーを飲んだり自由自在。私は家で仕事をすることが多く服を何枚も重ね着しているので、人型寝袋が一つあると暖房費が節約できるかもしれない。寝袋とはいえ仕事しながら寝てしまわないよう気をつけねば。
(山下敦子)