メガネを置き忘れて毎日探す人へ
「メガネメガネ……」と日々、置き場所を忘れて、メガネを探している人って、けっこう多いと思う。私もその一人だ。
ひどいときは毎日のようにどこに置いたか忘れてしまう。自分の脳が心配になるが、以前取材した認知症専門の医師は、こんな話をしていた。
「『ど忘れ』を心配している人はまず、健常ですよ。メガネや財布などの置き忘れ、しまい忘れなどは痴呆に直接つながるわけではない、『良性もの忘れ』と言えます。アルツハイマー型認知症の『物忘れ』の場合は、モノの名前を忘れるのではなく、人に会ったこと自体を忘れたり、買ったこと自体を忘れたりする、エピソード・体験そのものを忘れてしまうのが特徴です」
心配ないと言われても、毎日「メガネメガネ……」を繰り返すようでは、やはり不便である。
ついでに、整理収納アドバイザーの方から、メガネの置き忘れに関してアドバイスいただいたのが、こんな内容だ。
「メガネの置き忘れは、やはり不注意で何気なく置いているということがほとんどですので、メガネの定位置、『住所』を作ってあげましょう。たとえば、素敵なメガネのトレーなどを購入し、そこに必ず置く習慣をつければ、置き忘れは減るはずですよ」
なるほど、自分の場合も、確かにメガネの「住所」がないために、何気なく外して置いていることが多く、意外なところで発見されるパターンが多々ある。
調べてみると、『なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか』(日本経済新聞社)においても、「物忘れ=時間がたつと去年の十月のことを忘れる」「不注意=さっき置いた鍵やメガネを忘れる」と説明されていた。
「不注意」はまさに注意が刷りこまれていなかったために起こることで、鍵やメガネの置き忘れは、置いた場所がだいたい「親近感」のうちにあるところなので、思い出せないという。物忘れが多いときは、ちょっと別の特定性に置けば良い、という話だ。
これまでの経験から、よく発見される「親近感のうちにある」場所を考えてみた。
●脱衣かごの中……風呂に入る際に外して、そのまま忘れる
●枕元……寝るときに外して、そのまま忘れる
●洗面台付近……洗顔のときに外して、そのまま忘れる
●衣類ダンスの上……着替えのときに外して忘れる
●ティッシュが置いてある本棚の上……おそらく目薬をさすときに、メガネを外して、目薬を吹くために使うティッシュ付近に置いて、そのまま忘れるらしい
●床の上……仕事の合間など、ふとメガネを外して別のことをしているうちに、手か服の裾か何かがあたって落としてしまうのだろう
●パジャマにくるまれた状態……メガネをつけたまま着替えをし、自然に外れて巻き込まれているらしい。ひどい有様
もう少しきっちり調べるために、メガネの置き忘れパターンをデータとして残そうとしたのだが、これが不思議。記録を始めた11月20日以来、1度もメガネを置き忘れていない!
本当に単なる「不注意」だったわけだ。
記録する必要性はないけれど、日々メガネを探している人は、いずれかをお試しあれ。
(田幸和歌子)
ひどいときは毎日のようにどこに置いたか忘れてしまう。自分の脳が心配になるが、以前取材した認知症専門の医師は、こんな話をしていた。
「『ど忘れ』を心配している人はまず、健常ですよ。メガネや財布などの置き忘れ、しまい忘れなどは痴呆に直接つながるわけではない、『良性もの忘れ』と言えます。アルツハイマー型認知症の『物忘れ』の場合は、モノの名前を忘れるのではなく、人に会ったこと自体を忘れたり、買ったこと自体を忘れたりする、エピソード・体験そのものを忘れてしまうのが特徴です」
心配ないと言われても、毎日「メガネメガネ……」を繰り返すようでは、やはり不便である。
「メガネの置き忘れは、やはり不注意で何気なく置いているということがほとんどですので、メガネの定位置、『住所』を作ってあげましょう。たとえば、素敵なメガネのトレーなどを購入し、そこに必ず置く習慣をつければ、置き忘れは減るはずですよ」
なるほど、自分の場合も、確かにメガネの「住所」がないために、何気なく外して置いていることが多く、意外なところで発見されるパターンが多々ある。
調べてみると、『なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか』(日本経済新聞社)においても、「物忘れ=時間がたつと去年の十月のことを忘れる」「不注意=さっき置いた鍵やメガネを忘れる」と説明されていた。
「不注意」はまさに注意が刷りこまれていなかったために起こることで、鍵やメガネの置き忘れは、置いた場所がだいたい「親近感」のうちにあるところなので、思い出せないという。物忘れが多いときは、ちょっと別の特定性に置けば良い、という話だ。
これまでの経験から、よく発見される「親近感のうちにある」場所を考えてみた。
●脱衣かごの中……風呂に入る際に外して、そのまま忘れる
●枕元……寝るときに外して、そのまま忘れる
●洗面台付近……洗顔のときに外して、そのまま忘れる
●衣類ダンスの上……着替えのときに外して忘れる
●ティッシュが置いてある本棚の上……おそらく目薬をさすときに、メガネを外して、目薬を吹くために使うティッシュ付近に置いて、そのまま忘れるらしい
●床の上……仕事の合間など、ふとメガネを外して別のことをしているうちに、手か服の裾か何かがあたって落としてしまうのだろう
●パジャマにくるまれた状態……メガネをつけたまま着替えをし、自然に外れて巻き込まれているらしい。ひどい有様
もう少しきっちり調べるために、メガネの置き忘れパターンをデータとして残そうとしたのだが、これが不思議。記録を始めた11月20日以来、1度もメガネを置き忘れていない!
本当に単なる「不注意」だったわけだ。
記録する必要性はないけれど、日々メガネを探している人は、いずれかをお試しあれ。
(田幸和歌子)