「思ってたのと違う!」

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先日、いとこの家族と大阪の某遊園地に行ったところ、アンパンマンが大好きないとこの2歳の子どもが、キャラクターショーでアンパンマンが登場した瞬間に号泣していた。

というエピソードを友達に話したところ、「俺も3歳になる息子とユニバーサルスタジオ・ジャパンに行って、セサミストリートのエルモと一緒に写真を撮ってあげようとしたら、子どもが号泣してしまい、エルモに申し訳なかった」という悲しいカミングアウトをされた。

テレビで見ているときは大好きなはずのキャラクターが、着ぐるみとして登場した瞬間、子どもが恐怖に陥るのはなぜなのだろうか?

神戸松蔭女子学院大学人間科学部子ども発達学科の寺見教授によると、「テレビで見るキャラクターと着ぐるみの大きさが全く異なることが恐怖の対象になる理由の一つだと思います」とのこと。テレビで見ていれば自分と同じか小さいくらいにしか見えないキャラクターが、着ぐるみになると大人以上のビッグサイズであり、特に顔のサイズは尋常じゃないくらいに大きい。身長差から「見下ろされる」格好になることも相まって、単純に「大きい」ということが恐怖の対象になるようだ。

また、子どもの現実認識の発達とも関連するようで、「自分の心の世界と外(現実)との区別が明確ではない」という子ども特有の心理状態からくる恐怖もあるようだ。寺見教授によると、「子どもにとっては見たもの全てが真実で、そのまま心の世界にインプットしてしまうので、普段は見ているものでも、極端に大きい形で現実世界に登場すると、混乱して恐怖を感じてしまうのではないでしょうか」とのこと。

ここに挙げた理由は、個人差はあるが特に2〜3歳くらいまでの子どもに当てはまるとのこと。それより大きくなると、外の世界と自分とを区別して認識できるようになり、恐怖よりも興味が勝ってくるようになるようだ。5歳くらいの子だと、「あの中には本当は人が入っている」という現実までも認識できるようになるらしい。これはこれでちょっと悲しいけど……。

一方で、年齢を問わず、着ぐるみが全然平気な子どもがいるのも事実。やっぱり子どもって不思議です。
(エクソシスト太郎)