東京モーターショー2011のプレスデー開催期間中、モーターショー会場であるビッグサイトからほど近いMEGA WEBには全国から有力チューナーが続々と集まっていました。その目的は2012年春に発売が予定されているトヨタ86(ハチロク)の事前試乗会。トヨタ側にとっては「アフターパーツ業界が盛り上がることによって、86がユーザーに長く愛されるクルマに育ってくれれば…」という思惑があり、チューナーサイドにも「デビュー前にじっくりと観察する機会を得ることで、チューニングの方向性を見極めやすくなる」というメリットがあり、会場のあちらこちらでトヨタの技術者とチューニングショップやチューニングパーツメーカーの関係者が懇談する光景が見受けられました。


そんななかで今回は、GT−R、ランエボ、インプまで、様々なスポーツモデルのチューニングに意欲的に取り組むKansaiサービス向井敏之サンの試乗に密着することにしました。


試乗の順番がまわってくる前に、「雑誌などでコンセプトカーの進化を散々観てきたから新鮮さには欠けるけど、とくにリアのプロポーションの完成度が高く、なかなかコンパクトにまとまっている」と、早速展示車両を入念にチェックしはじめる向井サン。「シートポジションも悪くないし、ボンネットの見切りもいい。コクピットもちゃんと走りを意識したデザインになっていて、スポーツカーらしさが伝わってくる」と、86に対する第一印象はまずまず良さそうだ。


そして、6ATモデルを選び、試乗を終えた向井サンがまず語りはじめたのがエンジン。「ボディが比較的軽いこともあって、4000rpmからトップエンドまできっちりとまわり、2リッターNAとしては充分。サウンドやレスポンスの良さが実感できるエンジンに仕上がっている」と語ってくれました。


ハンドリングについても「ボディがしっかりと作り込まれていて、追従性もいい」と好評価。ATも「パドルシフトの反応もいいけど、シフトレバーでのマニュアル操作の完成度が高く、ラグを感じさせずに素早く立ち上がり、適度な剛性感もある」という。


今回は発売前のプロトタイプでの試乗だったため、この車両のパフォーマンスをそのまま信じるわけにはいかないが、「トータルパフォーマンスは良さそうだし、市場での反響が楽しみな一台」と語る向井サン。ちなみに勝手に点数をつけるなら90点と、かなり期待しているようで、この試乗の後にトヨタ86とスバルBRZを正式に1台ずつオーダーしたようでした。


(正松本宏)



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