【寺野典子コラム】内田篤人、新たな戦い(2)
代表戦、そしてオフ期間を終えてクラブに合流すると。自身がプレーしていた右サイドバックに新加入のマルコ・ヘーガー(21歳)が立っていた。
「新しいシーズンになれば、監督が指導したい選手、気にいった選手を獲得するはず。そうなったらまた新しい戦いが始まる。自分のポジションが安泰だなんて思っていない」と昨シーズンオフに内田が語っていた通りの状況だった。
今季初先発はヨーロッパリーグ・プレーオフ第1戦アウエイでの試合。左サイドバックでの起用だった。
「監督からの指示もなかったし、しっかりとアピールしなくちゃという気持ちで、積極的にゴールへ絡んだ」
しかし、その思惑は失敗し、結果は敗戦。8月25日ホームでの第2戦は6−1と圧勝し、78分に出場した。
「途中から出た守備の選手なんだから、自分がどうのこうのよもしっかりと試合を終わらせることを意識していた」
怪我で開幕出場が間に合わなかった右MFのファルファン、ラウルの関係から崩すシャルケの右サイドの攻撃は、やはりヘーガーではまだできない。内田だからこそ生まれる攻撃だった。
この試合での評価は圧倒的に内田に軍配が上がる。
そして続く8月28日対ボルシアMG戦でも先発し、今季初の無失点試合に貢献したが、代表合宿でチームを離れると、再びベンチスタートとなる。それでもその試合で下位のヴォルフスブルクに敗れたことで、サポーターの内田への期待は高った。
「ウッシー」「ウッシー」とサポーターからの称賛の声は今季に入り急増している。期待の声はサポーターだけでなくチームメイトからも上がっていた・
内田は仲間から「もしウッシーが出たら、今日もリベリは××××やっちゃうんじゃないの」と言われていたという。×××は内田の言葉借りると「公の場所では口にできない言葉」だそうだ。
ヨーロッパリーグ初戦に続き、迎えた9月19日の対バイエルン戦でも内田はリベリ対策として右サイドバックに入った。
「あいつが左に来るなら絶対に止めてやろうと思った。1対1ならやられるとは思わない。でも、だんだんポジションを変え始めて……そうなると難しくなっていく」
完成度の高いバイエルンサッカーを前に0−2で敗れたシャルケ。内田は、「まるでマンチェスター・ユナイテッド戦を思いだした」と振り返る。シャルケのセットプレーのこぼれ球を拾われてからのカウンターで先制を許すと前半だけで2失点。シャルケにも攻撃のチャンスがあったが、決め切れなかった。2点リードしてからのバイエルンにはスキがない。全員が攻めるときと守るときの意識が統一されていた。
「あんなクラブがドイツにあるんだね。去年は何も考えずにやってたよ(笑)。ドイツのサッカーを見直した」
ドイツだけでなく、欧州のトップクラブの一つに数えられるバイエルン。真の強豪に触れた興奮を嬉しそうに語る。とはいえ、負けたことの悔しさも消えない。
「2試合連続で試合に出るということの意味はわかっていたつもりだった」
だからこそ、リベリに仕事をさせないと燃えた。しかし、試合に敗れたことで、翌日の地元紙の内田への評価はそれほど高くはなかった。たとえ、動かれて、演出されたプレーでもそれを許したのは内田ではないのか? そんな評価も出るだろう。本来ならマークの受け渡しや選手個々の力で紡ぐ組織で封じ込めなければいけなかったとしても。結果は結果なのだ。
「身体中のあちこちが痛いよ、リベリの野郎め」
試合翌日のクルーダウンを終えた内田と話す。彼は身体をひきずるように歩いていた。
「前に対戦したときにね、ボンってぶつかってもリベリはビクともしなかった。どんなに体幹が強いんだろう。鉄板でも入っているじゃないかって思ったくらい。それは昨日も同じだったけど。何度か俺がぶつかったらリベリが少しよろめいたんだ」と嬉しそうに笑う。
「新しいシーズンになれば、監督が指導したい選手、気にいった選手を獲得するはず。そうなったらまた新しい戦いが始まる。自分のポジションが安泰だなんて思っていない」と昨シーズンオフに内田が語っていた通りの状況だった。
今季初先発はヨーロッパリーグ・プレーオフ第1戦アウエイでの試合。左サイドバックでの起用だった。
「監督からの指示もなかったし、しっかりとアピールしなくちゃという気持ちで、積極的にゴールへ絡んだ」
しかし、その思惑は失敗し、結果は敗戦。8月25日ホームでの第2戦は6−1と圧勝し、78分に出場した。
「途中から出た守備の選手なんだから、自分がどうのこうのよもしっかりと試合を終わらせることを意識していた」
怪我で開幕出場が間に合わなかった右MFのファルファン、ラウルの関係から崩すシャルケの右サイドの攻撃は、やはりヘーガーではまだできない。内田だからこそ生まれる攻撃だった。
この試合での評価は圧倒的に内田に軍配が上がる。
「ウッシー」「ウッシー」とサポーターからの称賛の声は今季に入り急増している。期待の声はサポーターだけでなくチームメイトからも上がっていた・
内田は仲間から「もしウッシーが出たら、今日もリベリは××××やっちゃうんじゃないの」と言われていたという。×××は内田の言葉借りると「公の場所では口にできない言葉」だそうだ。
ヨーロッパリーグ初戦に続き、迎えた9月19日の対バイエルン戦でも内田はリベリ対策として右サイドバックに入った。
「あいつが左に来るなら絶対に止めてやろうと思った。1対1ならやられるとは思わない。でも、だんだんポジションを変え始めて……そうなると難しくなっていく」
完成度の高いバイエルンサッカーを前に0−2で敗れたシャルケ。内田は、「まるでマンチェスター・ユナイテッド戦を思いだした」と振り返る。シャルケのセットプレーのこぼれ球を拾われてからのカウンターで先制を許すと前半だけで2失点。シャルケにも攻撃のチャンスがあったが、決め切れなかった。2点リードしてからのバイエルンにはスキがない。全員が攻めるときと守るときの意識が統一されていた。
「あんなクラブがドイツにあるんだね。去年は何も考えずにやってたよ(笑)。ドイツのサッカーを見直した」
ドイツだけでなく、欧州のトップクラブの一つに数えられるバイエルン。真の強豪に触れた興奮を嬉しそうに語る。とはいえ、負けたことの悔しさも消えない。
「2試合連続で試合に出るということの意味はわかっていたつもりだった」
だからこそ、リベリに仕事をさせないと燃えた。しかし、試合に敗れたことで、翌日の地元紙の内田への評価はそれほど高くはなかった。たとえ、動かれて、演出されたプレーでもそれを許したのは内田ではないのか? そんな評価も出るだろう。本来ならマークの受け渡しや選手個々の力で紡ぐ組織で封じ込めなければいけなかったとしても。結果は結果なのだ。
「身体中のあちこちが痛いよ、リベリの野郎め」
試合翌日のクルーダウンを終えた内田と話す。彼は身体をひきずるように歩いていた。
「前に対戦したときにね、ボンってぶつかってもリベリはビクともしなかった。どんなに体幹が強いんだろう。鉄板でも入っているじゃないかって思ったくらい。それは昨日も同じだったけど。何度か俺がぶつかったらリベリが少しよろめいたんだ」と嬉しそうに笑う。