韓国の食品大手「農心」が製造する「辛ラーメン」から、人体に有害な可塑剤(DEHP)が検出されたとの一部報道に関連し、中国政府は14日、検査を行った結果検出されなかったと発表した。韓国メディアは、「中華圏メディアの報道は誤報」と伝えた。

 農心の「辛ラーメン」をめぐっては、香港のケーブル放送が8日、「中国上海工場で作られている農心の辛ラーメンのスープからDEHPが1.3ppm検出された」と報じたことから、大きな波紋を呼んでいた。

 中国の上海質量監督総局技術研究院は14日、農心の「辛ラーメン」の袋麺とカップラーメン、「サバル麺」、「ノグリ」、「キムチラーメン」など5種類のインスタントラーメンを検査した結果、DEHPはすべて基準値(1.5ppm)以下で、品質検査に「合格」したとの報告書を提出した。同研究院は香港での報道を受け、市場に流通する農心製品を自主的に回収し、調査していた。

 中国政府に先がけ、香港やシンガポール政府は「辛ラーメン」の検査を実施し、DEHPが検出されなかったことをホームページを通じて発表している。だが、韓国メディアは、誤報が判明しても農心が受けたダメージは大きいとの見方を示した。

 すでに香港やシンガポール、中国などの各メディアは、内容を確認しないまま関連内容を相次いで報道。中国国内で「辛ラーメン」の売上は、2010年8000万ドル(約64億円)を記録したが、今回の事態により売上が短期的に落ち込むことに加え、「高級ラーメン」というブランドイメージに傷が付いた損害は大きいと伝えられている。

 現在、中国の仏系スーパーマーケットチェーン「カルフール」は販売の中断を発表し、ほかのスーパーマーケットも陳列棚から下ろしている状態という。農心の関係者は、「中国政府の検査結果を流通業者に送り、販売を継続するように伝えるなど、あらゆる方向から対応している」と話した。(編集担当:新川悠)



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