F1やWRCの日本車メーカーの相次ぐ撤退で、国際的なモータースポーツ・シーンで日本勢はちょっぴりというか、かなり寂しい状況です。そんな中、CUSCO(クスコ)ブランドで知られるキャロッセがやってくれました。


5月13〜15日にオーストラリアのクイーンズランド州で開催された2011年FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)第2戦「ラリー・クイーンズランド」にて、クラス優勝とジュニアカップ優勝というダブルの栄冠を手にしました。嬉しいニュースですね。


ここで注目してほしいのは、キャロッセが選んだマシンが日本車ではないこと。マレーシアの自動車メーカー「プロトン」の「サトリアネオ」を使っているのです。



ご存知の方もいるかもしれませんがキャロッセでは、今年から日本国内向けに正規インポーターとしてプロトン・サトリアネオの輸入販売を予定しています。手ごろな価格(160万円程度とか)で、1.6リッターFFの競技ベース車として販売するというのです。ですが、世界屈指の自動車王国である日本でアジアンカーを販売しようというのは、誰の目にも至難であることがアリアリ。それでもキャロッセは挑戦します。


なぜでしょう?


それはキャロッセはクルマを売るのが商売ではなく、競技用などのパーツを売るのが本業。さらに言えば、伸び盛りのアジア市場でもパーツを販売したい。そのためにはAPRC(アジアパシフィックラリー)は格好のプロモーションとなります。そこで、これまでキャロッセは日本車で戦ってきましたが、不況によってモータースポーツに消極的になった日本メーカーではなく、これも伸び盛りのアジアン・メーカーであるプロトンと組んだというわけです。しかも、さっそくクラス優勝という結果を残せたわけですから、プロトンも十分な実力を備えてきたと見ていいのではないでしょうか。



アジアを舞台にアジアのクルマのモータースポーツが盛り上がる。そうなればキャロッセのパーツも、アジアという伸び盛りのマーケットで売れる。プロトンとのタッグには、そんな戦略があったのです。


<鈴木ケンイチ>


 




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