米国第二位のブックストア・チェーン、ボーダーズが会社更生法による保護を申請。「業界第二位」でも倒産に追い込まれる市場波乱の背景にはアマゾンの影あり。そして、天下のウォルマートも無傷ではない・・・。

世界最大のリテーラー、ウォルマートは、過去二年間連続で米国内既存店舗売上の減少を記録し、社史始まって以来の苦境に立たされています。その背景にあるのは、アマゾンというミュータント的競合の存在と、「プライス・リーダー」としての地位の失墜。

米国で第二位のブックストア・チェーン、ボーダーズが会社更生法による保護申請をしたことは、皆さんご存知でしょうか。

会社更生法というと聞こえはいいのですが、事実上の倒産です。米国のブックストア・チェーンといえば、ボーダーズだけではなく、業界トップのバーンズ・アンド・ノーブルも財政難で、二者とも買収を検討したりなどしていますが、どうしても買い手が見つからない。「書籍販売」という市場がアマゾンに席巻されてしまった今日では、店舗という物理的アセット・へビィな業態には、皆怖くて手が出せないというのが現実でしょう。

業界第二位でも倒産。恐ろしい世の中になったものだな・・・とつぶやいていたら、ふと、「どこかで聞いた話だ」とある種の既視感が襲いました。

思い返せば、電化製品チェーンのサーキット・シティが会社更生法の申請に続き、「解体」の憂き目を見たのは二年前の2009年初頭のこと。あの時も、私も含め米国流通の研究者たちは、「業界第二位でも倒産するご時世か・・・」とため息をついたのです。

当時、サーキット・シティは年商1兆円超の会社。それでも倒産を免れませんでした。「年商1兆円でも安泰ではない・・・」。解体のニュースに、米国の流通業界も大きく揺れました。

ところで、かつての「業界第二位」であるということの他に、この二社の共通項は何だか、皆さんおわかりになりますか。


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