以前から、心理学の実験などで「人は興味のあるものを見ると瞳孔が拡大する」ということがわかっていました。

好みの男性を見ている女性の瞳がキラキラと輝いて見えるのは瞳孔が物理的に拡大しているからなんですよ〜

さて、昨日の日経新聞(2011/02/20)の記事によれば、従来、測定が困難だった「瞳孔の拡大度合い」を正確に測定できる装置が開発されたようです。開発したのは、特殊映像を手がける「ナックイメージテクノロジー」と、五感の研究を行なっている「夏目総合研究所」の研究チームです。

この装置の面白いところは、瞳孔の拡大度合いだけでなく、目、眉、口元など顔の12カ所の動きをカメラで捉え、注視している対象物への「好意度・非好意度」を測定できる点。

瞳孔は、好きなものだけでなく、危険なものや、怖いもの、嫌いなものを見た時も拡大します。しっかり目を見開いて対象の動きを追い、ヤバイと感じたら、すぐに逃げたりできるように。

ですから、瞳孔の拡大度合いと同時に顔の表情が、

・緩んでいるのか
・険しくなっているのか

を測定する必要があるというわけです。

例えば、お笑い番組が好きな人にビデオを見せて、好きなタレントが出てくると瞳孔が開くと共に、表情が緩みます。(つまり微笑んだということでしょう)

一方、嫌いなものを見ると、瞳孔は広がるけれど、表情は険しくなる。

ですから、瞳孔拡大度合いと表情の変化の両方を把握することによって、人が見ているものに対する「好意度・非好意度」が直接聴かなくてもわかるというわけ。

研究チームはさらに踏み込んで、

・喜び
・悲しみ
・驚き
・恐れ
・怒り
・嫌悪

の6つの感情に分けて判定できる手法を開発中とのこと。CMやパッケージ(包装デザイン)に対する評価手法として将来の実用化が楽しみです。「fMRI」を活用するニューロマーケティングほど大掛かりにならなくて済みそうですし。
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