「衰退が止まらない」といわれたファミリーレストランが復活しはじめているようだ。そのワケは何だろうか?


 「牛丼戦争」というキーワードが人々の口の端にのぼるようになり、餃子の王将と日高屋が勢力を競い合っていた09年頃。「ファミレスの衰退が止まらない」とメディアがこぞって書き立てた。すかいらーく、ロイヤルホスト、デニーズという「ファミレス御三家」の一角である「すかいらーく」が川口新郷店(埼玉県)閉店と同時に、39年間の歴史に幕を降ろしたのも同年10月29日のことである。

 ファミレス衰退のワケは各紙誌や評論家・専門家が様々な分析を行っている。各分析が共通宇して指摘しているのが、「セントラルキッチン方式」という一括大量生産と「FC店舗展開」による大量供給体制だ。本来は規模の経済を効かせるバリューチェーン上の強みが、消費者の嗜好の多様化によって「メニューが凡庸で没個性的」という弱みに転じてしまった。また、本来、ファミリーに向けた「手ごろな価格」での料理の提供を行うはずが、デフレの進行によって相対的に割高になってしまった。対照的に、各店舗に独自メニューの自由度を持たせ、さらにメニューを低価格化した餃子の王将が「デフレの勝ち組」として脚光を浴びたのである。

 では、ファミレスが復活しはじめたワケはナゼだろう。
 2月11日付・日経新聞が「ファミレス 手軽さ再評価」という記事を掲載している。インタビューに応えたある主婦の言葉が象徴的である。曰く「ここ2〜3年、外食は焼き肉か回転ずしに絞っていた。比べてみると、ファミレスの方が安上がり」とある。


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