先日、ビュー・コミュニケーション(NPO法人)が主催する[ECS研究会 実証実験 成果発表会]に出席してきました。同法人は、顧客満足度指標(CSI)をはじめとする各種評価事業を行なっている団体です。なお、‘ECS'とは、拡張された顧客満足度の意味です。(Extended Customer Satisfactionの略称でしょう)従来のCSの概念ではカバーできない領域を指標化しようとする試みのようです。

今回のECS成果発表会は以下の2部構成でした。

1部:売上の科学
2部:顧客の心をつかむ科学

1部の「売上の科学」は高度な分析方法を用いた実証研究の話でしたので割愛し、2部の「顧客の心をつかむ科学」について簡単にご紹介したいと思います。

顧客の心をつかむ科学は、名著『影響力の武器』で提示された「カチッ・サー理論」が下敷きとなっています。「カチッ・サー理論」とは、カセットレコーダーのスイッチを「カチッ」っと入れると「サー」とテープから音が流れ出すように、外部からの働きかけに対して、人が無意識に、つまり‘自動的’に反応してしまうパターン(=心理的スイッチ)を理論化したものものです。

このカチッとスイッチを押すことのできる働きかけの主なものが以下の10項目です。実証実験では、この「カチッ・サー理論」を実務の現場で実際に活用してその効果を検証することが目的になっています。今回は、以下の2組織の取り組み事例の発表が行なわれました。

・自動車販売ディーラー(セールスパーソン)
・病院(看護士)

では、ビューコミュニケーションズが指標として設定している「カチッ・サー理論」の10項目がどんなものかを示しましょう。

------------------------------

1 返報性

受けた恩義に対しては、将来報いなければならないという心理。最初に無料プレゼントをもらってしまうと、その代わりになにか買わないと悪いと感じてしまうようなこと。

2 コミットメント


続きはこちら