企画モノAVに出演する素人女性たちの実態をのぞいてみる?
9月4日(土)より公開される『名前のない女たち』は、企画モノAVに出演する女性たちに迫ったノンフィクション本の映画化作品だ。
【写真】映画冒頭、冴えないOLだった純子(=ルル)に転機が訪れる
市場規模1000億円と推定されるAV(アダルトビデオ)業界。年間約2万タイトルもの新作が出ているこの業界で、AV女優として働く女性は約1万人、さらにプロダクションに属さない素人などを入れると、3〜4万人はいると言われている。そんな世界に生きる“企画女優”と呼ばれる女性たちのインタビューで構成された同名ベストセラー・ノンフィクションが、この映画の原作なのだ。
DV、SEX依存、いじめ。個々に問題を持つ現代の女の子たちが行き着いた場所がAVの世界であり、その大半が華やかなスポットを浴びる“単体女優”ではなく、名前も顔も知られず、あくまでも性の対象として過激な仕事をこなす“企画女優”になっていく。劇中では、ルルと綾乃というふたりのキャラクターを通して、“企画女優”となった女の子の赤裸々な青春を描いている。
ルルと綾乃を演じるのは新人の安井紀絵と佐久間麻由。ヘアヌードも辞さないふたりの新鮮で懸命な演技に加え、木口亜矢、鎌田奈津美らグラビアアイドルが人気単体女優役で出演し、無名と有名の対比をうまく効かせている。本作はドキュメンタリーではなく、あくまで劇映画なのだが、そういった要素が真に迫ったリアルさを生み出している。
企画モノAVを見たことがある人は多いと思うが、画面に映らない企画女優の人生まで見たことがある人はほとんどいないだろう。本作で、決して日の目を見ることのない企画女優の壮絶な青春をのぞいてみよう。一度観れば、企画モノAVが違って見えてくるかもしれない?【トライワークス】