【セルジオ越後コラム】ベストメンバー規定はどこへいった?
明けましておめでとうございます。
さて、2010年最初のコラムだ。まずはG大阪の優勝で幕を閉じた天皇杯について触れるけど、一言で大会を総括すれば、「現状維持」という言葉になる。
リーグ戦は鹿島の3連覇、天皇杯はG大阪の2連覇となったわけで、変化に乏しい昨今のJリーグを象徴する結果だったのではないだろうか。強豪として確たるレベルに達しているならそうは言わないけど、天皇杯決勝を見ても、試合のレベルは決して高いとは言えなかったからね。
G大阪の優勝を受けて、繰り上がりで広島にACL出場権が転がり込んできたが、ACLでの去年の失敗を改善できる希望が持てる気分ではないよ。
日本サッカー協会はスケジュールを動かそうと躍起になっていたみたいだけど、それは叶わなかった。アジアにおける日本サッカーの政治力の低下と見ることもできるし、4位のくせに自分たちのために世界のスケジュールを動かそうというのは、自覚のなさの表われとも言えるね。
結局、代表の主力を休ませたいとの意向もあり、大学生も含めた若手中心で臨むことになった。天皇杯やナビスコカップで「ベストメンバー規定」を主張し、罰金を取っていたのは誰だろう? 会長はもうJクラブに文句を言える立場にないよね。いつも相手の立場に立ってものを言わなければいけないということだよ。その都度自分のことばかり考えて発言しているから、言っていることとやっていることが違ってくるんだ。
明るい話題でスタートしたいところだけど、致し方ない。今年も言うべきことは言っていく所存なので、なにとぞよろしくお願いします。(了)
セルジオ越後 (サッカー解説者)
18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和(とうわ)不動産サッカー部(現:湘南ベルマーレ)でゲームメーカーとして貢献。魔術師のようなテクニックと戦術眼で日本のサッカーファンを魅了。1978年より(財)日本サッカー協会公認「さわやかサッカー教室」(現在:アクエリアスサッカークリニック)認定指導員として全国各地青少年のサッカー指導。現在までに1000回以上の教室で延べ60万人以上の 人々にサッカーの魅力を伝えてきた。辛辣で辛口な内容のユニークな話しぶり にファンも多く、各地の講演活動も好評。現在は日光アイスバックス シニアディレクターとしても精力的に活動中
●主な活動 テレビ朝日:サッカー日本代表戦解説出演「やべっちF.C.」「Get Sports」 日本テレビ:「ズームイン!!SUPER」出演中 日刊スポーツ:「ちゃんとサッカーしなさい」連載中 週刊サッカーダイジェスト:「天国と地獄」毎週火曜日発売 連 載中 週刊プレイボーイ:「一蹴両断!」連載中 モバイルサイト FOOTBALL@NIPPON:「越後録」連載中