柴田 淳(撮影:野原誠治)
 10月7日に前作「愛をする人-Orochi’s Theme」以来1年ぶりとなるシングル「Love Letter」を発売した、柴田 淳。昨年に大ヒットを記録した中島美嘉の最新アルバム「VOICE」ではラストを飾る楽曲「声」を提供し、今夏には東京・大阪にて行われた「情熱大陸SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'09」に出演。2001年のデビューから9年目に突入し、11月2日には東京・SHIBUYA-AXにてジャズ・ピアニスト山下洋輔との共演を果たした彼女が翌3日、ニューアルバム「ゴーストライター」を発売した。

――柴田さんは以前からブログというか、ダイアリーを更新されていますよね。

柴田 淳(以降、柴田):そうですね。もう8年ですねー。

――毎回かなり長文でしっかりと書かれていますが、大体1つの記事を書くのに、どれくらい時間が掛かりますか?

柴田:結構、書き直したりもするので、1時間ぐらいは掛かっている様な気もしますね。

――始めた当時と今とではネットを取り巻く環境も変わりましたが、8年も続けてみて如何ですか?

柴田:8年前はまだ「ブログ」という言葉も存在しなかったし、タレントさんもミュージシャンの方も日記を書く方は相当少なかったかと思うんですけど、何気に面白おかしく文を書くのが好きだったんですよね。大学がコンピューター系だったので、ブラインドタッチだけは出来たんですよ。それで、打ちたくてっていうのと、日頃のうっぷん晴らしみたいな感じで書いていて。どっちかって言うと仕事で書いてるんじゃなくて、仕事の息抜きとして指を動かすっていう。だから、本当はスタッフ側も言って欲しくないことも書いちゃってたと思うんですけど、ストレス発散の場所だったんですよね。それがここ3年ぐらいでブログという名前が生まれて、コメントを載せられる機能も付いて。今やタレントさんはブログでチャートを追いかけるみたいな。人気だとか注目とか、どう考えても仕事の一つとしての存在じゃないですか。アクセス数を考えて書く発想とか、コメントを求めるものでもなんでも無かったので。今はもう結構落ち着いてきましたけど、ブログランキングとかまで発生するぐらい、ブログを毎日何十件と更新するのが当たり前という文化に、ちょっと付いていけてない所はあるかなー?とは思いますね。

――10月からは、ファンクラブも出来ましたよね。

柴田:そうですね。私も携帯サイトで日記ではなくブログみたいなのをやり始めたりして。流石にコミュニケーションを取れるのは、やっぱり楽しいなと思ったんですよね。でも、ネットでブログをやると、ファンじゃ無い人も見てくれるという、いい場でもあるんだけれども。通りすがりの人が無責任なことを言って去って行くみたいなのばっかりあるのが、やっぱり私はタレントさんじゃないので、ブログをやることを生業にしてないので。ストレス発散のつもりが、それでストレス溜まっちゃったりすることもあったので。ファンクラブを作って、コミュニケーションを取れるブログという形をやるにしても、その中だけでいいかなーと。私は誰よりもアクセス数を欲しいとか、1日に何十件も更新する様なタレントさんじゃなくて、あくまでもミュージシャンだということを忘れちゃいけないなと。タレントさんと競うのも違うなとか思うから、ファンクラブでポチポチと、ちょっとだけブログを更新しますけど。基本はもうストレス発散の、ダァー!って書く日記が好きでやってるだけですね。

――タレントさんは携帯で更新される方が大半で、改行が多いのでスクロール量はあるんですけど、文章自体は短いので。そういう方達と比べると、より時間を掛けて、考えて書かれている印象を受けたので。

柴田:そうですね。最近ちょっとおろそかにしてるんですけど…。やっぱり、打つのが好きなんですよね。北海道にキャンペーンに行った時に「ブログ拝見してます」とか言われると、「北海道まで届いてるんだ!」とか(笑)。特に初期の頃は、打ち込むことでスッキリ!みたいな、読む人のことを考えて無いし、読まれてることもあまり想像できない。箱の中に、パソコンの中に入れた、みたいなイメージだったのが、「アメリカから読んでます」とか、沖縄の人から連絡があったり。当たり前なんですけど、「どこでも読めるんだ!」って実感することが多かったですね(笑)。

――非常に楽しく読ませて頂きました。

柴田:すみません。あまりにも長いから、もうスタッフとか「なんか、その後書いてたらしいけど」みたいな、途中までしか読んでくれないんですよ(笑)。

――歌詞を書くことを仕事にされている方に言うのも失礼な話なんですが、文才のある方だなと。

柴田:いや!無いです。