ビジネスの世界で生きるには、ビジネスモデルやら何やら、知っておかなきゃいけない知識や事例がある。しかし、その事業で「メシを喰う」ことができるようになるまのでの活動に、あまり賢い智恵は必要ない。ひとつひとつの活動を意味で縛ってはいけない。
そういうお話しを、日本アニメの巨匠達から学びたい。


先ずは、「機動警察パトレイバー」「イノセンス」などの作品で有名な押井守監督の発言 (週刊アスキー)である。

「監督は、観た方からどんなことを言われると、いちばんうれしいですか?」
押井:やっぱり、自分が全然想像もしていなかった見方をされると、うれしいですね。「えっ?」ということ、ありますから。とくに僕の作品を好きだっていう30代、40代の男どもはですね、根がまじめな人が多くて、一生懸命考えるんですよ。

押井:僕の仕掛けた罠をなんとか突破して、真実にたどり着こうとする。そのために何度も観てくれたり、DVDを買ってくれたりするから、ありがたいけど(笑)。なぜか彼らには、アニメにはなにか真相が隠されているのじゃないかと思い込んでいるフシがあるんですね。

押井:でも、そんなものはない。

押井:いや、あるのだろうけど、つくった人間でもよくわからないもので、何年かたたないとわからない。そう言うと今度は「煙に巻いてる」とか言われるんだけど。

押井:基本的には、いい思い、楽しい思いをしたいからつくるのであって、なかば無意識でつくっているんですよ。しかも、そういうときのほうが絶好調だったりするからね。


映画を観る側は、そのシーンや、そのセリフに、凄い意味を与えるために、凄い解釈をしようとする。
深い真相を読み取ろうとする。
しかし、作り手は、そんなに意味を求めていない。
無意識なときほど絶好調で筆が進む。
それが、クリエイティブの真実なのだと思う。
いちいち書き込むシーンの意味や解釈を考えていては、力ある作品はできない。

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