知人の大学院生との会話を踏まえて、2010年入社の就職活動について考えてみます。ちなみに、私自身は就職氷河期に就職活動をしていましたので、他人事ではないように感じています。

都内の私立大学大学院に在籍していて、これから就職活動を始めるという学生さんと久しぶりに話しまして。

「新卒採用はどんな感じですか?」という問いに。

「ん〜。日経のIR優良企業ランキングの上位企業が軒並み業績不振になっているから、結構厳しいだろうね。」と答えてはみるのですが、まだまだ新卒採用よりも、今年度末での人員計画自体が不安定になっているので、あまり余計なことも言えず…。

件の彼自身が中心となって就職活動のネットワークを作りたいということでしたので、就職活動を支援するためのSNSを新規で開設して応援してみることにしました。面接対策くらいは手伝ってあげられればと思います。

さて、以前のコラムで上場企業の内部留保の総額が日本の国家予算以上にあることや、日本のサービス残業の総額が推定で5兆円規模ということを書きましたが、数字だけを考えるならば、まだまだ日本企業には新卒採用を続ける体力はあると考えられます。

しかし、設備投資や運転資金にも使われる内部留保ですし、現政権による国内需要の景気刺激策も見えてこない中で、企業は今の雇用をどう確保するのかということが重要課題のままといった感じで、どれくらい新卒採用ができるのかという人数は不透明のままです。

とにかく、採用人数を確定できない経済状況では、企業の採用活動は長期化する可能性も高く、人事経験で考えるならば、恐くて一気に採用ができず、ズルズルと少しずつ採用していくような動きになると思われます。

逆に私が就職活動を行っていた2000年前後を踏まえると、内定がでない時期が長引くため、精神的に不安定になりますし、加えて内定がでる学生と出ない学生が今まで以上に二極化する恐れがあります。


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