税率が引き上げられる発泡酒やチューハイ

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 これは左党にとって朗報なのか、あるいは悲運と言うべきなのか。10月1日から改正酒税法が施行され、ビールやチューハイの値段が変わったのだ。

 具体的に言うと、350ミリリットル缶の換算で、ビールは酒税9.1円が引き下げられ、一方、発泡酒や第三のビールは7.26円の引き上げとなった。これによって、ビールと“ビール風飲料”の酒税が統一されることになる。また酒税の改正はチューハイにも及び、これまで1缶あたり28円だったものが7円引き上げられて35円になった。

 たかが7円の差と安心していてはいけない。毎日晩酌で1~2本飲んでいる人にとっては年間2500~5000円超の出費増になるのである。このタイミングで税率を変更するのはどうしてなのか、財務省の主税局に聞いてみる。

税率が引き上げられる発泡酒やチューハイ

「酒税の改定は2017年の通常国会で決められたもので、極端な価格変更にならないよう、3段階に分けて税の引き下げ、引き上げが行われてきました。改定幅は法律に明記してありますが、税率変更のタイミングは酒税法の“附則”に書いてある。突然、税率を変えたわけではありません」(酒税法の担当者)

「発泡酒やチューハイを飲む層をいじめている」

 なぜ、ビールを引き下げてビール風飲料は引き上げた?

「ビールの酒税は麦芽の量などで決まります。これに対し、発泡酒や第三のビールは麦芽以外の原料も使って酒税を安くしてきました。しかし近年、醸造技術が上がり両方とも味はビールと遜色ない。消費者はビール風飲料も“ビール”という感覚で飲んでいます。課税の基本である『同種同税』の考えからすれば、ビールとして飲んでいるのなら、税金も同じでなくてはならない。そこで、税額を統一することになったのです」(前出の担当者)

 しかし、チューハイの税率引き上げはどういうことなのか。ビールと関係ないではないか。

「アルコール飲料の税率は、全体のバランスを考えなくてはいけません。ビールの税金が統一される一方でチューハイだけが安く置かれるというのもおかしな話で、他の飲料とのバランスを見た上での酒税改定なのです。決して税収増が目的ではありません」(同)

 これに対して異論を唱えるのが税理士の浦野広明氏である。

「財務省の理屈から言えば、ノンアルビールだって味がビールだから課税できることになってしまう。税金は、低所得者層の買う物には安く、高額品は高くするというのが本来のあり方です。発泡酒やチューハイを飲む層に対しても増税するというのは、弱い者いじめのような考え方です」

 なるほど。とりあえず、一本飲んでから考えてみよう。

「週刊新潮」2026年10月8日号 掲載