全体練習を見守った中日の井上一樹監督

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 中日の井上一樹監督が、今季限りで辞任することが29日、決まった。バンテリンドームで行われた全体練習での囲み取材で「あと2試合をもって、僕は辞任します」と、自ら辞意を表明した。「勝てなかったことを考えると、けじめとして、数字、成績が上がらなかった責任を取る決断に至りました」。今季はここまで141試合で59勝80敗2分けで最下位。26日のヤクルト戦(神宮)で4連敗となり、借金は今季ワーストの21に膨らんだ。今季最終戦予定の10月3日のヤクルト戦(神宮)まで、井上監督が指揮を執る見込みだ。

 就任2年目の今季は開幕カードの広島戦(マツダ)で3連敗。クローザーを任せた新外国人・アブレウが腰痛を訴えて逆転負けを喫する苦しい船出から5連敗のスタートとなった。開幕18試合で早くも借金10を背負い、5月1日には球団創設90周年目で史上最速となる28試合目で20敗目を喫した。借金13で迎えた4月24日のヤクルト戦(バンテリンD)から4連勝で一時巻き返しの気配を見せたものの、再び失速。6月13日の日本ハム戦(エスコン)では、借金20まで膨らんだ。それでも、7月は12勝11敗で、井上政権初となる月間勝ち越しを決め、8月には今季最長の5連勝をマーク。同26日には、3位まで1・5ゲーム差と肉薄したが、その後の大一番を勝ちきれなかった。

 1年目の昨季は、63勝78敗2分けと負け越した一方、前年まで3年連続最下位だったチームを4位に引き上げた。しかし、今季は開幕前からAクラス入りを期待する声も多かったが、岡林、上林、福永、新外国人のサノーら主力打者の故障離脱も続出。投手陣もアブレウだけでなく、斎藤、清水らリリーフ陣に万全ではない選手が目立ち、主力の復帰後も、打開できなかった前半戦が、最後まで響いた。指揮官は、3年契約の任期を1年残して、球団を去ることとなった。

 ◆井上監督の主なコメントは以下

 「結論から申しますと、あと2試合をもってして、僕は辞任します。今年春から故障者が出て、なかなか勝てなかったってところを踏まえますと、チームの中で責任を誰が取るんだっていう。そういった厳しいご意見をいただいてきて、なんとか歯を食いしばってやってきたつもりですけど、やはり自分の中でもご納得していただけない部分も周りもあったでしょうし、その中でケジメとしてやはり自分がまず成績、数字が上がらないことを考えれば、自分が責任を取るべきという決断に至ったということです」

 ◆井上 一樹(いのうえ・かずき)1971年7月25日、鹿児島県生まれ。55歳。鹿児島商から89年ドラフト2位で投手として中日に入団。93年途中から外野手に転向。通算1215試合で打率2割7分5厘、79本塁打、349打点。名古屋市内の小児科病棟を訪問し、子どもたちにプレゼントを贈るなどの社会貢献活動が評価され、2003年に報知新聞社制定「ゴールデンスピリット賞」を受賞。09年の引退後は中日2軍監督、阪神ヘッドコーチなどを歴任。現役時代は184センチ、93キロ。左投左打。