会社の健康診断で「要再検査」と判定されました…。妻は「会社の健診の続きだから無料でしょ」と言いますが、本当に費用はかからないのでしょうか?
会社の健康診断は無料でも「再検査」は原則自己負担
会社の定期健康診断(一次健診)で「要再検査」の通知が届くと、費用の心配をする方もいるでしょう。再検査の費用は原則として自己負担になります。
健康診断結果の判定区分は、医療機関によって表現に多少の揺れはありますが、一般的に次のように分かれています。
・A(異常なし)
・B(軽度異常)
・C(要経過観察・要再検査)
・D(要精密検査・要治療)
・E(治療中)
このうち、追加の検査・受診が推奨されるのは、主にC(要経過観察・要再検査)とD(要精密検査・要治療)です。
労働安全衛生法により、年に1回会社が実施する定期健康診断(一次健診)は事業者の義務であり、費用は原則として会社負担となりますが、判定CやDを受けた後の二次検査の受診や費用負担について、会社に直接的な法的義務はありません。
会社には従業員の健康を守る安全配慮義務があるため受診を勧奨するケースが一般的ですが、検査費用自体は原則として従業員自身が支払う仕組みになっています。ただし、会社の規程や検査の種類によっては会社が全額または一部を負担することもあります。
再検査に健康保険は使える? 保険適用になるケースを確認
「会社の健診の続きなのに費用がかかるのはなぜか」と疑問に感じる方もいるかもしれません。一次健診は病気の早期発見などを目的としたスクリーニングであり、健康保険は適用されません。会社が実施する法定健診の費用は、原則として会社が負担します。一方、健診後の再検査は、医師が診療上必要と判断して行う場合、健康保険が適用されます。
一方、医学的な必要性が認められない検査や、医師の診察を経ずに自己判断で受ける追加検査などは、原則として健康保険が適用外(自由診療)となり、全額自己負担となるリスクがあります。全額自己負担(10割負担)となった場合は、検査内容や医療機関によって異なりますが、1万円から数万円程度の出費になるケースもあるため注意が必要です。
なお、労災保険の「二次健康診断等給付」制度の対象に該当する場合や、会社の健康保険組合・企業が独自の補助制度を設けている場合には、費用が無料になったり一部負担が軽減されたりする場合もあります。
再検査の費用だけでなく将来の医療費負担も考えよう
費用を理由に再検査を受けないままにすると、健康状態の確認が遅れ、結果として治療が必要になった際の負担が増える可能性もあります。厚生労働省宮城労働局によると、健康診断で異常が見つかる割合が高い上位5項目は、1位が血中脂質、2位が血圧、3位が肝機能、4位が血糖、5位が貧血となっています。
これらは自覚症状のないまま進行する生活習慣病に関連する項目です。要再検査の指示を放置して動脈硬化や糖尿病が重症化すると、将来的に心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす危険があります。
万が一、重篤な疾患で入院や手術が必要になった場合、自己負担になる医療費は100万円を超えるケースも考えられ、長期間の休職による収入減という大きな経済的打撃を受けることにもなりかねません。
早めの再検査は、結果として家計を守ることにもつながるでしょう。
まとめ
会社の健康診断で要再検査と判定された場合、自己負担がある前提で準備しておくことが現実的です。再検査を受ける際は、必ず健康診断の結果表を医療機関に持参してください。
医師に健診結果を確認してもらい、再検査が診療上必要かどうかを判断してもらうことが、健康保険の適用を確認するうえで重要です。また、ご自身が加入している健康保険組合に費用の補助制度がないか事前に確認したり、受診予定の病院に保険適用や費用の目安を問い合わせたりしておくと安心です。
要再検査の通知を放置せず早期に受診することは、深刻な病気を未然に防ぐだけでなく、将来の大きな金銭的負担を回避することにもつながります。正確な知識を持ってスムーズに受診し、ご自身の健康と大切な資産を守りましょう。
出典
厚生労働省宮城労働局 令和4年 項目別・一般健診 有所見率(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

