国会議員や市長らの顔を使用 消滅と復活を繰り返す「読売新聞風の偽サイト」
読売新聞が2月3日に「読売新聞オンラインを装うSNSの悪質広告や偽サイト・動画にご注意ください」と題した記事を配信。少額の投資で利益を得られるとけん伝する読売新聞風のサイトが存在するとして、注意喚起を行った。
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この記事が配信されてから4カ月以上が経過したが、現在も同様の広告は複数のドメインを使って展開されている。
基本的には、NHK「クローズアップ現代」でキャスターを務めていた国谷裕子氏が、投資にまつわる特定のサービスを勧めるという内容だが、テレビ朝日系「報道ステーション」のスタジオで日本銀行の植田和男総裁か内田眞一副総裁、報道ステーションキャスターの大越健介氏の3人がスタジオで議論するパターン、NHKからの圧力で投資に関する調査ができなくなったとするパターンなどを確認できる。
報道ステーションの場面を切り取ったような写真には、左上に読売新聞オンラインのロゴが入っており、ニュースを日常的に受け取ることのない人でもちぐはぐさに気付くかもしれない。また、国谷氏らが報道番組とは思えないほど怒りに満ちたような表情をしている、「植」が簡体字で書かれているなど、細かい部分にも注意を払っていくと違和感のある内容が複数ある。
いずれの偽広告も、最終的には投資関連と思われるサイトに誘導され、会員登録などを促される。登録フォームまでの間には、昨年亡くなった経済評論家の森永卓郎さんらが投資を促す発言を、自民党の山田太郎議員が「人生が変わり、仕事を辞めることができた」、富山県南砺市の田中幹夫市長が「2週間前に解雇されたが毎週約250万円稼いだ」と述べているような文章が並んでいる。
2年以上前から続く詐欺広告の手口
読売新聞オンラインを装った偽広告の展開は、遅くとも2年前から確認されている。お笑い芸人の小島よしおが投資にまつわる「本当のこと」を語ったために逮捕された、ソフトバンクグループ社長の孫正義氏が発言した内容について日本銀行が提訴した、といったタイトルのページが、これまでに何度も公開されては消えている。一部はgoo ニュース(2025年にサービス終了)のデザインを流用するなどしているが、やはり提供元のサイトとして読売新聞の名前が掲載されていた。
このようなページにはGoogleの広告サービスを経由して誘導されることが多いが、今回はX(旧Twitter)にある最低3つのアカウントが「宣伝」をしていた。ただし、該当するアカウントを確認したところ、2アカウントのプロフィールにはそれぞれアメリカのテキサス州、オランダのアムステルダムでIT系エンジニアとして働いているという自己紹介を掲載しているため、アカウントが乗っ取られた、もしくは売却したという形でなければ説明のつかない挙動を見せている。
偽広告の展開をめぐっては、総務省、消費者庁、デジタル庁などがそれぞれ対策の考案、関連プラットフォームへの対応の要請を実施している。先月にはSNS事業者に対するヒアリングの結果を公開。ただし、LINEやMeta、Xなどの対策はいずれも足並みがそろっておらず、偽サイトへの誘導に関する対策も事後的になっているようなコメントを残していた。
稼働していた4ページ中3ページは昨日の深夜に消滅したが、これまでの挙動を確認した限りでは数日から数週間ほど時間をおいて、再び別ドメインのサイト内で同様の内容のページを公開する、というパターンを見せている。AIの発達などによって画像や文章の違和感が減っていき、より手口が巧妙化していく可能性もあるため、新聞社らしからぬ記事、センセーショナルな内容の記事を見かけたら、ドメインを確認するなどして自己防衛策を取る必要があるだろう。
文/池田聖人 内外タイムス編集部
