今夏の移籍マーケットでは注目の一人となりそうなフェルナンド・トーレス<br>(Photo/B.O.S.)

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 移籍シーズンを迎える度にアトレティコ・マドリーのスペイン代表FWフェルナンド・トーレスの周りが騒がしくなってくる。ここ数年に渡ってトーレスの去就を巡る噂は後を絶たない。そして、この夏の移籍マーケットでも彼の移籍話が取り沙汰されそうだ。

 今シーズンのプレミアリーグの覇者、マンチェスター・ユナイテッドは来シーズンに向けてプランを練り、すでに新戦力をリストアップしているという。8日付けの英紙“サンデー・ミラー”では、マンUの新オーナー、マルコム・グレーザー氏は来シーズンの補強費として5000万ポンド(約119億円)を用意しており、フェルナンド・トーレスが補強リストのトップに上がる選手の1人だ、とも報じられている。

 さらに同紙は、オーウェン・ハーグリーブス(バイエルン・ミュンヘン)、ガレス・ベイル(サウサンプトン)、スティーヴン・シドウェル(レディング)、ディミタール・ベルバトフ(トッテナム)、ナニ(スポルティング・リスボン)とマンUの補強候補に上がる選手リストを掲載しているが、トーレスがマンUファンを最も引きつけている1人であるとも強調している。

 アレックス・ファーガソン監督もこれまでトーレス獲得に関心を示してきた。プレミア2連覇、そしてチャンピオンズリーグ優勝を目指すファーガソン監督は、ベルバトフと共にトーレスをウェイン・ルーニーと組ませたいと考えているようだ。

 今シーズン、リーガでは31試合で10得点とチーム内得点王となっているが、得点数で見れば今ひとつといった感は否めない。それでも高い技術と身体能力を持ち、FWに必要とされる要素を兼ね備えた逸材であるトーレスには、イングランドのチームが熱い視線を送り続けている。チェルシーは何試合かを視察しているし、リバプールのベニテス監督もトーレス獲得に関心を示している。だが、マンUがトーレス獲得に最も熱心であることははっきりしている。

 トーレスは、昨年9月にアトレティコとの契約を2009年まで延長したが、違約金は9000万ユーロ(約146億円)から4000万ユーロ(約64億円)に引き下げられた。とはいえ、アトレティコのセレソ会長は、トーレスがクラブに残ることを望み、トーレス本人も「移籍することは全く考えていない」とコメントしている。しかし、その移籍金もマンUの手の届く額となり、トーレス獲得交渉にルイ・サハを含める可能性があるとも言われている。シーズンも終わりに近づき、トーレスの移籍話はこれからメディアを賑わせることになるだろう。

(スペイン通信)