4分23秒のロングメッセージ J1初昇格の立役者 鳥栖の藤田直之主将が今季限りで引退 最終戦でセレモニー
J1サガン鳥栖は14日、元日本代表の藤田直之主将(37)が今季限りで引退すると発表した。今季最終戦となる12月8日の磐田戦後に引退セレモニーを行う。
正確なキックやロングスローなどが武器の藤田は福岡・東海大五高(現・東海大福岡高)から福岡大に進み、4年時の全日本大学選手権で準優勝に貢献。2010年に当時J2の鳥栖に入団し、11年には鳥栖をJ1昇格へと導いた。15年には日本代表に初選出。16年に神戸へ移籍し、C大阪を経て22年に鳥栖に復帰。今季はリーグ戦10試合に出場した。J1・J2の通算成績は409試合出場(J1は354試合)、21得点(J1は17得点)。
藤田はクラブの公式X(旧Twitter)で4分23秒にわたって以下のようにコメントした。
「サガンティーノの皆さんこんにちは。藤田直之です。2024年シーズンをもって現役を引退することを決断しました。2010年に鳥栖に入団して15年がたちました。僕がプロ1年目で鳥栖に入った時はほとんどやったことのないボランチというポジションを任せてもらい、チームとしては我慢強く育ててもらいました。翌年の2011年、チーム一丸となってJ1昇格を達成しました。実質昇格が決まった時のアウェー徳島戦、あの時のあのスタンドで鳥栖サポーターが涙する姿を僕は一生忘れることはないと思います。
その後J1初年度でキャプテンを任せていただいて、J1初年度での躍進や首位争いをした年もありました。J1昇格してJ1に定着するまでに自分自身、チームに貢献してきたという自負もあります。しかしそれ以上にJ1で戦える選手に育ててもらったという思いの方が強いです。
16年から3年間神戸へ、3年間C大阪へ。計6年間鳥栖を離れたのですけど、その間、両チームともにとても温かく迎えていただき、素晴らしい経験をさせていただきました。その両チームへはまた別の機会で感謝を伝えさせていただけたらなと思います。
そして22年、鳥栖から帰ってきてほしいというオファーをもらいました。すごく嬉しかったです。鳥栖でタイトルを取りたいと何度か口にしてきましたけど、僕が一番考えていたのは、今の鳥栖の現状、立ち位置を考えた時に、絶対鳥栖をJ1に残すこと。それを自分自身に課して帰ってきました。残念ながらその課題をクリアすることができませんでした。チームが苦しいとき、特に夏場勝てない時に自分自身ピッチに立てずにチームに貢献できず、悔しい思いもしましたし、鳥栖の力になれない自分に失望もしました。最後降格という形で不本意な形で終わってはしまいましたけど、サッカー人生を振り返ると想像を遥かに超えて充実していました。
何よりこの心のクラブ、サガン鳥栖で計7年キャプテンを任せてもらい、そしてこのチームでユニホームを脱げることにすごく幸せを感じますし、誇りに思います。本当にありがとうございました。
最後に、シーズン終わるまであと2試合、約3週間残っています。そして来年J1に上がるための戦いがもう始まっています。最後の最後まで僕とサガン鳥栖と共に戦ってください。ありがとうございました」