「年収の壁」の見直しを巡り、初会談に臨む(右から)自民党の宮沢税調会長と小野寺政調会長、国民民主党の浜口政調会長と古川税調会長=14日午後、国会

 自民、公明両党の税調会長は14日、国民民主党の税調会長と国会内でそれぞれ会談し、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」解消に向けた税制協議を来週、3党で実施する方針で一致した。国民は所得税の基礎控除などを計178万円に引き上げるよう求める方針で、上げ幅が焦点となる。要求通りなら地方税収が大幅に減るとの試算もあり、影響への懸念が広がる。

 自民と国民の会談には、自民の宮沢洋一、国民の古川元久両税調会長が出席。小野寺五典、浜口誠両政調会長も同席した。国民側から具体的な提案はなく、今後の進め方を確認した上で、3党協議で具体化を図ることになった。宮沢氏は会談後、記者団に、結論を得る時期について「今後の状況次第だ」と述べるにとどめた。

 これに先立ち、公明の赤羽一嘉税調会長も古川氏と会談した。古川氏は一連の会談後、3党協議で税制改正の要望を示したいと言及。103万円の壁のほか、ガソリン減税も「重点項目になる」と説明した。消費税の時限的な5%への引き下げも求める見通しだ。