打撃投手を務めた高橋光成(カメラ・大中 彩未)

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 西武の高橋光成投手(27)が13日、戦力外通告を受けた鈴木将平外野手(26)へ愛あるエールを送った。

 「ちょっと俺投げようか」。14日に行われる12球団合同トライアウト(ZOZO)に向け所沢市内の球団施設で練習していた2学年下の鈴木に、エースが手をさしのべた。「打撃投手・高橋光成」による約20分間のフリー打撃が急きょ実現した。

 0勝11敗に終わった今季からの再起に向け、テーマを持って投げた。「僕自身バッターが立った時にフォームが変わってしまうのも課題なので」と通常より少し近い距離から変化球も交えて65球ほど。「光成さん、速いっす!」と後輩も驚くほど、力のこもったボールを投げ込んだ。

 投手、野手の枠や年齢を超えて、よく食事にも出かけていたという2人。野球人生を懸けた一日を前に、最高の相手で調整した鈴木は、「ありがたいですね。明日も自信持って迎えられるなと思います」と頭を下げた。後輩を常に気にかけてきた心優しい右腕は、「いいバッターですし、何度も助けてもらいました。明日も頑張ってもらいたいですね」。8年間苦楽を共にした“戦友”への思いを、白球に込めた。(大中 彩未)