「20年前のこの言葉は今ならパワハラだ!」と、過去のことを掘り起こす人が“無能”なワケ
「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
「矛盾に厳しい人」になるな
ネット上では、過去の言動が掘り起こされて、炎上が起こっています。
「昔の発言、今なら完全にアウトだろ」
「20年前のこの言葉は、今ならパワハラだ」
「5年前は賛成派だったのに、反対派に寝返っている」……
そうやって、過去の言動を引っ張り出し、現在の状況に当てはめ、矛盾を指摘するような場面を見かけます。
しかも、その行為があたかも正義のように扱われています。
なんともおかしな状況です。
人は、時間とともに考えを変えるのが当然です。
意見だってコロコロ変わる。
ただ、本人の中には一貫性があるのです。
それなのに、なぜ、過去と同じ考えを持ち続けないといけないのでしょうか。
この不寛容さが、「意思決定は怖い」「言わぬが花だ」という閉塞的な状況を生み出していると思わないでしょうか。
この世に、つねに正しい人はいません。
誰でも間違いを犯します。勘違いだってします。
正義感によって、矛盾を指摘するような態度は、人を萎縮させるだけです。
自分の弱さを知ろう
まずは、あなたの態度からあらためましょう。
職場において、「朝令暮改」や「前言撤回」を受け入れるということです。
ある1つの発言によって人を責めないことです。
とはいえ、人は弱い。
あなたの意見に反対した人がいたとします。
その人が失敗すれば、きっと喜びたくなるでしょう。
逆に、その人が成功すれば、「そんなバカな!」「どんなズルをしたんだ!」と思ってしまうかもしれません。
それくらい、人は弱いものです。
だからこそ、思考によって変えてください。
過去の発言を掘り起こして、「矛盾を指摘する人」は仕事ができません。
なぜなら、人は常に意見が変わることを知らないからです。
ぜひ、覚えておいてください。
(本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。