ライトハイザー氏(ロイター)

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 【ワシントン=田中宏幸】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は8日、米国のトランプ次期大統領が、前政権で米通商代表部(USTR)代表を務めたロバート・ライトハイザー氏に、同職への復帰を要請したと報じた。

 対中強硬派で、自由貿易や貿易赤字を問題視する同氏が就任すれば、日本を含む同盟国にとっても脅威となりそうだ。

 事情に詳しい関係者の話として伝えた。FTによると、ライトハイザー氏は次期政権で商務長官や財務長官への就任に関心を示していたが、トランプ氏はUSTR代表への復帰を依頼した。引き受けるかどうかは不明としている。

 ライトハイザー氏は前政権時代に対中制裁関税の発動を指揮し、日本には対米貿易黒字の是正を迫った。トランプ氏は輸入品に一律10〜20%、中国からの輸入品に一律60%の関税を課すとしており、新政権でも通商政策で主要な役割を担う見通し。日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画には反対する姿勢を示しているという。

 1980年代のレーガン政権ではUSTR次席代表を務め、担当した日米鉄鋼協議で日本に輸出の自主規制を認めさせた。