タランティーノ、「SHOGUN 将軍」も『DUNE/デューン』も観るつもりナシ ─ 「その話はもう観たから」
『パルプ・フィクション』(1994)や『キル・ビル』シリーズなどで知られる映画監督クエンティン・タランティーノは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE/デューン』シリーズを観るつもりはないという。真田広之主演、エミー賞で史上最多の18部門に輝いた(2024)も……。
ポッドキャスト番組「」に出演したタランティーノは、高い評価を受けた『デューン 砂の惑星PART2』(2024)の感想を訊かれると、前作を含むシリーズ2作を観ていないこと、今後も観ないであろうことを明かした。
「僕は(デヴィッド・リンチ監督の)『デューン/砂の惑星』(1984)を数回観ました。あの物語を再び観る必要はありません。スパイス・ワームも、“スパイス”という言葉をドラマチックに使う映画も見る必要はないんです。」
タランティーノが指摘するのは、ハリウッドがオリジナルの物語ではなく、既存作品のリメイクに頼りがちな現状だ。「次から次へ、あれやこれやとリメイクが出てきます。“『デューン』を観た? 『リプリー』は? 『SHOGUN 将軍』は観たか?”と訊かれますが、“いやいやいや”って感じです」という。
「『リプリー』の小説は6~7冊あります。もし再びやるなら、なぜ過去に2回やったのと同じ話をやるんでしょう? その物語は2回見たけれど、どちらのバージョンもあまり好きじゃなかったから、3回目を観ることに興味はありません。もし別の物語をやるなら、とりあえず試してみる価値はあるでしょうね。」
シリーズ「リプリー」(2024)は、『デューン 砂の惑星PART2』と同じく高い評価を獲得。同作はパトリシア・ハイスミスの小説をドラマ化したものだが、この原作はアラン・ドロン主演『太陽がいっぱい』(1960)、マット・デイモン&ジュード・ロウ出演『リプリー』(1999)と2度映画化されている。ちなみに「小説が6~7冊」と言っているのは、原作者のハイスミスが、主人公トム・リプリーの物語を小説5作にわたって描いているから。なぜ第1作ばかりが映像化され、ほかの物語にチャレンジする企画がないのか、ということである。
また、「SHOGUN 将軍」もジェームズ・クラベルの同名小説が原作だが、この小説は1980年にも「将軍 SHŌGUN」としてドラマ化されている。タランティーノは「80年代に13時間全部観たので、もういいです。あの物語をもう一度観る必要はないし、どんな風にやろうと気になりません」と述べた。
オリジナル企画にこだわり、アンチ・リメイク的な姿勢を示している監督は、過去に「度肝を抜く」コンセプトで『スター・トレック』のを進めたことがあったが、諸事情で実現には至らなかった。また、監督10作目での映画監督引退を公言しているタランティーノだが、10作目として進めていた『The Movie Critic(原題)』も、現時点で新作の情報は届いていない。
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Text: Hollywood, 稲垣貴俊