「横浜で優勝目指す」復帰会見で誓ってから7か月…筒香嘉智が「記憶に残る」日本一弾決めた…来季は「リーグ優勝」
◆SMBC日本シリーズ2024第6戦 DeNA11―2ソフトバンク(3日・横浜)
横浜の空高く、日本一への号砲を鳴らした。2回。先頭の筒香は有原が投じた真ん中へのチェンジアップを強振。きれいなアーチがバックスクリーン右へと伸びていった。先制ソロは前回出場した17年の第5戦以来となる日本シリーズ自身2本目の本塁打。「記憶には残るホームランになると思います」と笑みを浮かべると、5回2死満塁では、左中間へ走者一掃の二塁打を放って超満員のスタンドを沸かせた。
19年シーズン後、ポスティングシステムを利用してMLBへ移籍し今年4月、古巣へ復帰。レイズをはじめメジャー数球団を渡り歩いた米国での野球生活では、満足いく結果を残すことはできなかった。それでも野球をやめようと思ったことはないという。「自分の人生にとって大きな経験ばかりだったので、非常にありがたかった。やめたいとかという感覚はないです」。酸いも甘いも全てを受け止めて己のパワーにした。
試合終了の瞬間、中堅に走ると桑原と2人そろって歓喜の輪へ飛び込んだ。「クワ(桑原)とは帰ってきてからいろんなチームの話をしながらやってきました。(全体で)何度も話し合いながら、チームとして改善していかないといけないところはだいぶ見えたと思います」。萩原チーム統括本部長が「ゴウ(筒香)の復帰が最大の補強」とたたえたように、復帰した主砲が豊かな経験をチームに還元した。
4月18日の復帰会見で「横浜で優勝を目指すこと」と誓った。「日本一になれたことは非常にうれしいです」と喜びながらも、「リーグ優勝はかなっていないので、そこが一番になれるように」と表情を引き締めた。98年以来のリーグ制覇へ、まだまだ高みを目指す。(秋本 正己)
▼セ22年ぶり連覇 昨年の阪神に続き、日本シリーズはセが2年連続で優勝した。セの連覇は、00年巨人、01年ヤクルト、02年巨人の3連覇以来22年ぶり。これで、シリーズはセ38勝、パ37勝。18年以来のセの貯金となった。
◆横浜DeNAベイスターズ 大洋漁業(現マルハニチロホールディングス)が母体となって「大洋ホエールズ」として創設され、1950年にセ・リーグに加わった。78年に本拠地を川崎市から横浜市(横浜スタジアム)に移転。92年に「横浜ベイスターズ」に球団名を変更。2002年にTBSが筆頭株主となった。60、98年にリーグ優勝と日本一。11年12月に、DeNA社の新規参入が承認され、現在の球団名になった。オーナーは南場智子氏(62)、球団社長は木村洋太氏(42)。