[11.3 J2第37節 横浜FC 0-0 栃木 ニッパツ]

 3試合ぶりに無失点に抑えたが、2位・横浜FCはJ1自動昇格を最終節に持ち越した。好セーブでゴールを守ったGK市川暉記は「ラスト1試合、もう本当に死に物狂いでやりきって勝って決めたい。引き分けでも決まるが、やっぱり勝って決めたい」と勝利を誓った。

 直近2試合で7失点を喫した。特に前節は今季最多4失点。“勝てばJ1昇格”を2度逃すなかで、市川がゴールを死守し続けた。

 それでも試合終盤、横浜FCは劣勢に陥る。後半44分には相手のロングスローがゴール前まで飛んできた。DFガブリエウに当たったボールはゴール方向に進むが、市川が横っ飛びではじく。こぼれ球をDF大谷尚輝に打たれるが、体勢を崩した市川が体を張ってシュートコースを阻んだ。「当たってくれと思いながら足を伸ばしたら当たっただけ」(市川)。ボールはゴールライン上に留まると、いち早く反応した市川がキャッチした。

 残り時間を考えると、失点は3連敗につながっていた可能性は高い。引き分けで試合を終えた横浜FCは、他会場で勝利した3位V・ファーレン長崎に勝ち点3差。今節勝ち点1を手にしたことで、最終節となるアウェーでのレノファ山口FC戦は引き分け以上で自動昇格が決まる。

 それでも最後は勝利で終わりたい。「最後本当にここまで来ているので、本当に大詰め。最後笑えるように、山口にも足を運んでくれるサポーターの人もいると思う。そういう人たちのためにも、やっぱり次は勝って決めたい」。試合終了とともに喜びを爆発させ、一年間の集大成を締めくくるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)