「私を応援している人も多少は…」広瀬章人九段、“アウェイ戦”で藤井聡太JT杯覇者に勝利!ファン大興奮「完勝だな」/将棋・JT杯準決勝
将棋日本シリーズJTプロ公式戦東海大会が11月2日、愛知県常滑市の「Aichi Sky Expo」で行われ、広瀬章人九段(37)が2連覇中の藤井聡太JT杯覇者(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)に勝利した。藤井JT杯覇者の地元・愛知県での対戦とあり「やりにくいところも…」と苦笑していた広瀬九段だったが、正確無比な指し回しで“アウェイ戦”に勝利。ファンからも歓喜の声が上がっていた。
2023年3月の第81期順位戦A級プレーオフ以来、通算15局目の対戦となった本局。通算成績は3勝11敗とスコア上では大きく突き放されている広瀬九段だが、2022年の竜王戦七番勝負の大激戦や、2019年の王将戦挑戦者決定リーグ最終局では先輩の貫禄を示し、若武者のタイトル初挑戦を阻んだこともファンの記憶に強く刻まれている。熱戦必至の両者とあり、この準決勝には大きな注目が集まっていた。
対局前、広瀬九段は「非常に難敵。山場と言っても良いところなので、決勝進出のことよりは本局をどう指すかということを考えてきました」と気合十分。しかし、「藤井さんの地元の東海対局ということで非常にやりにくいところもあるんですけど、私のことを応援してくれている人も多少はいると思います(笑)。そういった方々に恥ずかしくないような内容の将棋を指せればと思います」と広瀬調で“アウェイ戦”へ臨む意気込みを語っていた。
振り駒で広瀬九段の先手となった本局は、相掛かりの出だしに。長い戦いに備えて互いにしっかりと陣形を整備すると、じりじりとした戦いへと展開した。藤井JT杯覇者の強い踏み込みから一気に激戦へと発展すると、広瀬九段も強く応戦。緩急自在の指し回しで絶対王者を圧倒した。力を封じ込められる形となった藤井JT杯覇者は、得意の終盤戦で技を駆使して対抗。しかし、最後まで緩みのない広瀬九段の正確な指し手が光り、137手で勝利を飾った。
重要局を制した広瀬九段は、「中盤、飛車と金桂の取り合いから激しい展開になって、数手進んでみたらこちらが良くなっている気がしましたが、最後は上手くプレッシャーをかけられて何とかギリギリ残していたという感じでした。本当に(藤井JT杯覇者に)勝つのは大変だなと思いました」とコメント。2連覇中の強敵を撃破し、ホッとした表情を見せていた。
この大熱戦に、ファンも大興奮。白熱の終盤戦を見守っていたABEMAの視聴者からも、「広瀬さんつよーー!」「ストッパー広瀬さんの本領発揮」「さすが広瀬さん」「アウェー戦でお見事」「広瀬完勝だな」「綺麗に詰ませた」「すっごい面白かった!どきどきした」「お見事広瀬九段」と歓喜のコメントが多数寄せられていた。
決勝進出を決めた広瀬九段は、5期ぶり4度目の優勝を狙う渡辺明九段(40)との激突が決まった。日本シリーズでは2019年度も同一カードで決勝戦が争われ、渡辺九段に優勝杯を奪われる形に。“リベンジ”の機会が巡ってきた広瀬九段は、強敵撃破の勢いに乗り初優勝を飾ることができるか。運命の決勝戦は、11月24日に東京都江東区の「東京ビッグサイト」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)