10月18日、ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)

 【キーウ共同】ウクライナ国防省情報総局は2日、ロシアが北朝鮮兵7千人以上をウクライナに近い地域へ移動させたと発表した。北朝鮮兵に迫撃砲や突撃銃、狙撃銃、暗視装置などを供与したとしている。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は10月30日に行った韓国メディアとのインタビューで、北朝鮮兵とウクライナ軍との交戦が「数日内に起きる」との見方を示していた。ブリンケン米国務長官も同様の認識を示した。

 情報総局やウクライナ軍筋によると、北朝鮮兵はロシア極東で数週間の訓練を受け、ロシア空軍機や列車などでウクライナが越境攻撃を展開するロシア西部クルスク州に移動している。

 米シンクタンク「戦争研究所」は1日、北朝鮮が今回の派兵で、自国軍部隊に実戦経験を積ませ、無人機や電子戦を活用した現代戦のノウハウを蓄積しようとしているとの報告書を公表。北朝鮮がウクライナでの経験を基に、将来の朝鮮半島での戦争に備えようとしているとの見方も示した。

ロシア西部クルスク州で活動するロシア軍=10月(タス=共同)