山形放送

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山形県酒田市のベンチャー企業の元社長らが、法律で禁止されている「販売預託商法」を行った疑いで30日、大阪府警に逮捕された事件で、商品を購入した県内の男性がYBCの取材に応じ「裏切られた思い」と憤りを語りました。

池田容疑者を知る男性「地元で知られている起業家だったので非常にショックを受けた方は多いのではないか。裏切られたというか失望したという思いを持った人は多くいるんじゃないか」

この事件は、酒田市のベンチャー企業「チェンジ・ザ・ワールド」の元社長・池田友喜容疑者(47)ら6人がおととし、太陽光発電所の所有権名目で関西地方の男女4人からおよそ220万円を違法に集めた疑いで30日、逮捕されたものです。池田容疑者らが行っていたのは太陽光発電事業の運用利益の還元をうたって太陽光パネルの所有権を販売し、資金を集めるいわゆる「販売預託商法」でした。この手口は巨額の消費者被害が相次いだため、おととし6月、国が法改正で「預託商法」を原則禁止しました。捜査関係者によりますと、法改正後、消費者庁は、池田容疑者らに対して販売を停止するよう指導しましたが、その後も販売促進キャンペーンを行って新規の顧客を募り、違法状態のまま、半年間で3800人からおよそ12億円を集めていたということです。

警察は違法性を認識した上で販売を続けていたとみています。

法改正後におよそ750万円分を購入した30代男性はー。

男性「会社を信じて投資したところはあるので、法律違反だったというのは悲しいですし、責任をもって返してほしい」

一方、この事業を巡っては環境省が2020年11月、環境課題に取り組む企業として会社を表彰していました。この時、国は既に預託商法を原則禁止する方針を打ち出していました。

男性「環境省の賞に加えていろんな賞を受賞しているということは投資の後押しになったのは間違いない」

YBCは池田容疑者と面識があり、商品を購入した県内の男性に話を聞きました。

池田容疑者と面識があった男性「(池田容疑者は)起業したい若い人たちを応援しようと色んなイベントをしたり勉強会を開いたり熱心にやっていた印象。結構慕われていたと思う、地元のフリーランスとか(若手)事業主からは。知らない人はいない存在だった」

男性は九州地方にある発電設備の所有権を購入しましたが、会社が破産後の現在は設備がどのような状態になっているかは分からないと言います。

男性「(購入費の)7割8割は戻ってこないと破産管財人から連絡があった。全国で被害に遭った人もいっぱいいるのできちんと謝罪すべきだった」

池田容疑者の会社はおととしから破産する去年2月にかけて事業規模を急拡大していたとみられ、会社の負債額は、おととし1月には「10億4100万円」でしたが、去年2月には38億円を超えるなど負債額はおよそ1年で3倍以上に膨れ上がっていました。

警察は、池田容疑者らの集金の実態について調べを進めています。