直近1年で「退職者が増加」している企業が約6割 上層部が「これはヤバい」と頭を抱える層は
直近1年で退職者が増加している企業が約6割――そんな調査結果が株式会社ビズリーチ(東京都渋谷区)が運営する働く人の活躍を支える研究機関『ビズリーチ WorkTech研究所』による調査でわかりました。また、企業が問題視している退職者層は、新卒入社後、「5〜10年の中堅社員」であることもわかったそうです。
調査は、同社が運営する転職サイト『ビズリーチ』および人財活用プラットフォーム『HRMOS』を利用する企業の経営層、人事担当者548人を対象として、2024年5月〜6月の期間にインターネットで実施されました。
調査の結果、全体の58.8%が「直近1年で退職者が増えている」と回答。これを企業規模別に見ると、従業員数が「200人未満」で49.2%、「500〜1000人未満」で64.6%、「3000人以上」で73.3%となり、一社で勤め上げることが一般的で、退職者が少ない傾向にある大企業の方が、より退職者の増加を実感していることがうかがえました。
また、増加している退職者層についても企業規模によって差が見られ、従業員数「200人未満」の企業では、増加を感じる退職者層にばらつきがある一方で、「3000人以上」の大企業では、「入社5〜10年目の新卒入社者」(63.6%)、「管理職・役職者」(18.2%)でその他の規模の企業に比べて多い傾向が見られました。
次に、「企業が最も問題視している退職者層」を聞いたところ、「200人以上」の企業においては「入社5〜10年の新卒入社者」が突出する結果となりました。
また、最も問題視している退職者層を「入社5〜10年の新卒入社者」と回答した企業に退職の理由を教えてもらったところ、「従業員個人のキャリアの将来性」(59.3%)が「給与・賞与」(46.2%)に比べて10ポイント以上高い結果となり、新卒入社の社員が企業で一通りの経験を積んだ後、30歳前後の中堅社員となった頃に、社外に新たなスキル・経験を求める傾向にあることを示唆する結果となりました。
これらの調査結果を踏まえて同研究所は、「キャリア自律が当たり前となる時代において、企業に求められる対策は、社内におけるキャリアの選択肢や可能性を可視化し、それを社員に提示することです」と指摘。
そのうえで、「社員が自らのキャリアパスを理解しやすくし、社内での成長の機会を見つけられる仕組みを整え、それを提供し続けることが、結果としてこれからの持続可能な組織運営の鍵になっていくといえます」と述べています。
◇ ◇
【出典】
▽ビズリーチ WorkTech研究所調べ