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 ◇ワールドシリーズ第4戦 ドジャースーヤンキース(2024年10月29日 ニューヨーク)

 世界一に王手をかけて臨んだ一戦で、またしても頼れる男がスタンドに美しいアーチをかけた。ドジャースのフレディ・フリーマン内野手(35)が初回に史上初のワールドシリーズでの6試合連続本塁打を記録した。

 敵地の悲鳴を切り裂くように、低い弾道がスタンドへと到達した。初回1死二塁、ヤンキース先発・ヒルの外角スライダーを腕をいっぱいに伸ばして捉えた。ライナー性の打球はヤンキースファンで埋まった右翼席へと一直線。打球速度106.6(約171.5キロ)、343フィート(104.5メートル)、打球角度23度の価値ある先制2ランとなった。

 初戦のサヨナラ満塁弾から始まり、今WS4試合連続の本塁打。WSではブレーブス時代、アストロズと世界一をかけて戦った21年の第5戦から6戦連発となった。17、19年にまたがって5戦連発を記録したアストロズのスプリンガー(現ブルージェイズ)を抜く最長記録。好調の打線をけん引するベテランはベンチで待つ仲間に笑顔で迎えられた。

 体調が万全でない中、強い使命感でグラウンドに立ち続けている。9月26日パドレス戦の走塁で右足首を捻挫。一時はプレーオフの出場自体が危ぶまれた。シーズン最終カードとなったロッキーズ3連戦を欠場し、回復に努めたが、メッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズは第4戦、第6戦を欠場。体を張って、チームを引っ張っている。

 第3戦の試合後にはインタビューで「足首はだいぶ良くなった。休みの日に治療を受けて落ち着かせ、その後スイングの練習ができたからです。それが鍵です」と患部は回復傾向にあるとし「だから、自分の手がかりを見つけることができ、ボールをかなりうまく打てています」と打撃への手応えを口にしていた。