Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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多い時には3分に1本という超過密ダイヤでありながら、世界トップレベルの安全性能を備える東海道新幹線。その重要な部品を、実は、静岡の企業が製造していました。私たちは今回、その工場にテレビ初潜入させてもらいました。

世界に誇る高度な技術が結集した新幹線を、実は静岡の企業も支えています。よく見る正面の映像にも静岡で作られた部品が!

さらに、私たちが乗る車内にも、静岡の企業が製造した重要な部品があります。その超重要部品とは?

それを製造しているのが長泉町にある「コイト電工」。

(コイト電工 大石将男さん)
「よくヘッドライトを作っていると言われるが、それは親会社で、こちらは道路・鉄道インフラを支える会社。こちらでは、道路に設置する信号機、道路情報版、鉄道車両機器を製造している」

実はこちらの会社表に名前が出ることはあまりありませんが、 私たちが道路や鉄道を利用する際によく目にするものを製造している超すごい会社なのです。

さらに、ことしで開業60周年の東海道新幹線についても…

(コイト電工 大石将男さん)
「新幹線の部品は0系から製造している」

今回、新幹線の部品を作る製造ラインにテレビカメラが初潜入。一体、新幹線のどのような部品を作っているのでしょうか。

早速、工場の中に入ると、そこには何枚も立ち並ぶ大きな板が。これは・・・!?

(コイト電工 大石将男さん)
「高速道路の本線上につく情報板。大きさは、横が5m高さが3m弱となっている」

高速道路などでよく目にする道路情報板も、ここで作られているんです。さらに工場を進んでいくと・・・歩行者用の信号機が!!

(コイト電工 大石将男さん)
「歩行者灯器の生産ライン。 一日に100台弱生産していて、車両用と歩行者灯器、合わせて年間約4万灯生産している」

なんと全国に設置されている信号機の35%がコイト電工が作った信号機なのです。

そして、いよいよ新幹線に関する製品の製造エリアへ。そこには、ぎっしり並べられた長方形の電子機器が!

これは列車名や行先、指定席か自由席かなどが表示される「行先表示器」です

(コイト電工 西山隼人さん)
「行先表示機組み立てを行うと、LEDの点灯に問題がないかエイジング試験を行う。電気を通して48時間表示し続け、問題がないか検査している」

そして、新幹線が走行する上で絶対に欠かせない超重要な部品もここで製造しています。それは、なんと、ヘッドライトです。

実は東海道新幹線のヘッドライトは、すべてがコイト電工製。それも初代0系のときから!!

(コイト電工 西山隼人さん)
「鉄道車両にとってヘッドランプは人間でいう目であると思っているので、一番特徴を表す」

ヘッドライトも大きな進化を遂げていて、最新車両N700Sでは初めてLEDが採用されました。

(コイト電工 西山隼人さん)
「LED化することで、ヘッドライプとテールランプが一体化となった構造。 別々だったが一つになり、小型軽量化となった」

LEDとなり200m先まで明るい光を照らすことができるようになったといいます。

ほかにも、車内の室内灯も製造していて、LEDになったことにより、N700Sでは忘れ物防止対策として、停止前に荷棚の照明が明るくなる仕組みまで導入されています。新幹線の“光”を静岡の企業が支えていたのです。

これまで60年にわたりコイト電工が選ばれてきたのには、その技術力と信頼性の高さにあります。

国内最大級の大きさを誇る「配光試験室」。光の強さや広がりを測定する部屋です。

(コイト電工 今井拓也さん)
「それぞれの光の広がり強さを測定することで照明器具を評価している」

コイト電工では外灯や球場のライトも製造していますが実際に設置した場合にどうなるかを事前に徹底チェックしているのです。

しかし、東海道新幹線を支えるコイト電工の製品は光だけではありません!

なんと「座席シート」も製造しているのです!!(製造場所は群馬工場)

(コイト電工 深山瑛之さん)
「初代新幹線からずっと製作している011500「シートはずっと進化し続けている」011528「座り心地快適性を損なわないシートづくりを心掛けている」

最新車両の「N700S」の最大の進化は背もたれを傾けるのと連動して座面が沈み込む乗り心地の良さです。

(コイト電工 深山瑛之さん)
「どうしても背中だけ動くと違和感がある座面が沈み込むと座り心地に結びつくのでこだわった」

全席にコンセントが設置されたのも大きな進化です。

60年前に比べて車内で使われる電気機器が大幅に増えましたがそれらが走行に支障を与えないように安全に制御する仕組みも必要となりますがその要となる機器も製造しているのです。

工場内には外からは見えないように囲われている場所が・・

(コイト電工 大石将男さん)
「こちらは立ち会い検査で いろんなお客様がくる職場 ほかのお客様に見られないよう囲んでいるシークレットです」

社内でも限られた人しか立ち入ることができない場所に特別に入らせてもらうと。そこにあったのはグレーの箱。

(コイト電工 大石将男さん)
「こちらが新幹線の床下機器で配電箱と呼ばれるもの」3120「空調や車両の電気機器をコントロールするブレーカーが入ってる家庭のブレーカーの配電盤のようなもの」

普段はあまり見ることはありませんが、新幹線の車体の下にあるこの機器なのです。かなり重要な機器ですが、車両の下にあるため、雨などから守る必要があります。そのための「防水検査」も行われものすごい勢いの水がかけられていきます。

(コイト電工 大石将男さん)
「集中豪雨が1時間50ミリといわれているが、こちらではその10倍の水をかけ確認している」

いまや仕事や旅行に欠かすことのできない新幹線。1日37万人が利用しいまや欠かすことのできない日本の交通機関東海道新幹線。その世界に誇る鉄道を重要な部分で静岡の企業が支えていたのです。

(コイト電工 大石将男さん)
「新幹線だと知られない。会社名は出ないので陰で支えられればと思う。お客さまサービス向上を目指して開発研究を進めていきたい」