6回を無失点に抑え、甲斐(右)とタッチを交わす有原(撮影・西岡正)

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 「SMBC日本シリーズ2024、DeNA3−5ソフトバンク」(26日、横浜スタジアム)

 「SMBC日本シリーズ2024」は26日、横浜スタジアムで開幕して、4年ぶり12度目の頂点を狙うパ・リーグ王者のソフトバンクが先勝し、2018年の第3戦から続くシリーズ連勝記録を13に更新した。先発した有原航平投手(32)が7回無失点の好投に加え、二回に先制の2点適時打を放ち勝利に貢献した。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「有原の好投を導いた好リード」と甲斐を称賛した。

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 エース有原が投げて打っての活躍でソフトバンクが先勝した。さすが最多勝を獲得した投手だけあって危なげない内容だったし、自ら先制打も打って気分よく投げられたことだろう。ただ、この好投を導いた甲斐の好リードも称賛に値する。

 相手打線のストレート狙いを素早く察知し、初球から変化球で入るなど巧みなリードが光った。しっかりと相手のことを研究していることがうかがえたし、これまで何度も日本シリーズでマスクをかぶっているだけあって落ち着いていた。

 甲斐だけでない。ソフトバンクには柳田や近藤、山川ら日本シリーズやWBCなどの大舞台を経験している選手が多いので、チーム全体が浮足立つことなく戦っている印象を受けた。

 一方、DeNAはジャクソンが降板するまでは、なんとか互角に戦っていたが、その後は救援陣が毎回走者を背負って防戦一方となった。こういう展開になると、野手も守っている時間が長くなって疲れてくるし、攻撃への意識も薄れていってしまう。最後に点は取ったが、遅きに失した感は否めない。試合全体を通してみると、ソフトバンクの強さを感じさせる初戦となった。