街頭演説に耳を傾ける聴衆=25日午後、青森県黒石市

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 第50回衆院選は27日、投開票される。

 自民党の派閥裏金事件を踏まえ、「政治とカネ」の問題が最大の争点。自民、公明両党が定数の過半数(233)を維持するか、政権交代を目指す立憲民主党などが与党を過半数割れに追い込むかが焦点だ。与野党幹部は25日、接戦区を中心に最後の追い込みに全力を挙げた。

 衆院選は2021年10月以来3年ぶり。政策活動費廃止の是非など政治改革の具体策に加え、経済政策や外交・安全保障政策も論点となった。今月初めに退陣した岸田文雄前首相による3年間の政権運営の評価も問われる。

 石破茂首相(自民総裁)は青森県黒石市で街頭演説し、非公認とした候補側への2000万円支給に対する批判も念頭に「政権復帰以来、これほどの逆風は経験がない」と危機感を表明。野党は政権の枠組みを示していないとして「無責任な人たちに国を任せてはならない」と呼び掛けた。

 立民の野田佳彦代表は千葉県松戸市で「デッドヒートの選挙区で一つでも多く勝つことが大事だ」と強調。裏金事件に触れ「自民の組織文化を壊し、世襲、金まみれの政治を壊そう。そこから新しい政治が始まる」と語った。同県鎌ケ谷市では「自公過半数割れに追い込む」と力を込めた。

 日本維新の会、公明党、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党、参政党なども各地で支持を訴えた。

 衆院選は小選挙区289、比例代表176の計465議席を争う。小選挙区の「10増10減」に伴う新たな区割りが初めて適用された。1344人が出馬しており、女性は過去最多の314人。