今オフもメジャー挑戦を目指すのか 避けられない“ルールの壁”があっても佐々木朗希にMLB球団の関心が強まる「理由」

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ロッテにとってなくてはならない存在となっている佐々木。(C)Getty Images

 今オフも忙しない日々になりそうだ。ロッテの佐々木朗希だ。

 日本球界屈指の剛腕がメジャーリーグ移籍願望を強く抱いているのは周知の事実だ。移籍を目指した昨オフは労組「日本プロ野球選手会」を脱退。越年更改も行うなど異例の行動を見せ、小さくない論争を呼んだ。

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 今も本人の意欲は十分にある。複数メディアでは、今オフにもポスティングシステムを利用する可能性が高いと報じられている。無論、球団が容認することが前提条件となるが、交渉次第では事態が急変する可能性は大きくある。

 佐々木にとってメジャーでの挑戦はプロ入り前からの「夢」だ。一方で球団にとって現時点でのポスティング容認はメリットが小さい。というのも、メジャーでは労使協定が定めるルールにより、25歳未満の選手に各球団が使用できる金額が、契約金や年俸など込みで、年間500万ドル(約7億2500万円)と決まっているのだ。

 また、サインできるのもマイナー契約(メジャーでのプレーは可能)のみ。つまりロッテは、佐々木がメジャー契約をした際に生じる数十億円規模の莫大な譲渡金は得られないのである。

 現在22歳の佐々木のメジャー移籍に関しては、主にルールや保証など越えるべき問題が山積している。ゆえに今オフの挑戦も現実味はないのではないかと思える。

 だが、“野球の本場”で「令和の怪物」に対する期待は薄まっていない。米メディア『The Athletic』のコラムニストで、レッズやナショナルズでGMを務めたジム・ボウデン氏は「ドジャース、メッツ、ヤンキース、レッドソックス、ダイヤモンドバックスは今月にササキの投球を見に、はるばる日本へ球団トップクラスの幹部を派遣した。彼をスカウトするために多大なリソースを投入している」と指摘した。

 ボウデン氏の報道を鵜呑みにするなら、僅かな契約の可能性に賭け、メジャーの主要球団が佐々木獲得に本腰を入れているのは間違いない。仮にポスティングが正式に決まれば、安価で獲得できる背景も手伝って争奪戦は必至だ。

 現時点でのポスティングが持つリスクは計り知れない。ロッテはもちろん、本人も満足のいく保証が得られない可能性はある。それでも佐々木はメジャーへの夢を追うのか。あらゆる情報が錯そうする中で、本人の決断が待たれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]