サブウェイの店舗(25日、東京都新宿区で)

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 外食大手ワタミは25日、大手サンドイッチチェーン「サブウェイ」の日本事業を買収し、国内でフランチャイズ展開を始めると発表した。

 コロナ禍を経て居酒屋での宴会需要が伸び悩む中、ファストフード事業に本格参入し、「脱居酒屋」を加速させる。

 米サブウェイから、国内の運営を担う「日本サブウェイ」を買収し、25日付で完全子会社化した。買収額は非公表としている。ワタミは今後10年間、サブウェイを展開できる契約で、国内で250店舗の新規出店を目指す。ワタミが自社農場で栽培する有機野菜を活用するなど、既存事業との相乗効果も狙う。

 東京都内で記者会見した渡辺美樹会長兼社長は、「居酒屋のワタミから、サブウェイのワタミに変えたい」と強調した。将来的には、日本マクドナルドと同規模の約3000店舗に店舗数を拡大したい考えだ。

 日本サブウェイは、サントリーが1991年に設立したが、2018年に全ての株を手放し、米サブウェイの傘下となった。現在は国内178店舗を展開している。ファストフード業界では比較的店舗数が少なく、ワタミは商業施設内や郊外などに出店の余地があると見込んでいる。

 ワタミは「和民」などの居酒屋チェーンを軸に成長してきた。だがコロナ禍に需要が激減し、焼き肉店や唐揚げ店など業態の多角化を急いでいる。今回の買収で、グループの店舗数は約500店舗に増える。買収前に7割を占めた居酒屋は半数以下になるという。