読売新聞の候補者アンケートで各党の候補が挙げた争点(数字は%)

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 衆院選が最終盤を迎え、各党が接戦となっている選挙区に幹部を投入するなどして票固めに奔走している。

 与党は、自衛官処遇改善などの政策を打ち出し、政権担当能力をアピールする一方、野党は「政治とカネ」の問題で攻勢を強めている。

 石破首相(自民党総裁)は25日午前、看板政策に掲げる自衛官の処遇改善に向けた関係閣僚会議の初会合を首相官邸で開き、来年度予算案に関連施策を盛り込むよう関係省庁に指示した。首相は会議で、「国防という国家にとって極めて枢要な任務に誇りと名誉を持って専念できるよう、万全の体制を構築する」と語った。

 首相は街頭演説でも自衛官の処遇改善に言及している。最終盤に初会合を開くことで、政策の実行力を示す狙いがあるとみられる。首相は同日、羽田空港からチャーター機で青森県に入る予定だ。青森、秋田両県の接戦区を中心に街頭演説し、議席の上積みを狙う。

 公明党の石井代表は同日午前、厳しい選挙情勢を踏まえ、自身の選挙区である埼玉県草加市の街頭でマイクを握り、「安定して政権運営ができるのは経験と実績のある自公の連立政権しかない」と声を張り上げた。

 読売新聞社の終盤情勢調査では、立憲民主党は議席を大幅に増やす見通しだ。野田代表は千葉県船橋市での街頭演説で、「自公で過半数を割るか割らないか、大事な局面だ」と強調した。

 野田氏は「裏金作りに関わってきた人たちが税金の使い道を決めるなんてあり得ない。自民党政治に終止符を打つ」と訴えた。同日は千葉、神奈川両県の接戦区でテコ入れを図る。

 全国で支持が伸び悩む日本維新の会の馬場代表は同日、地盤とする大阪府や兵庫県の激戦区に入り、票の掘り起こしを目指す。同日午前は、神戸市内で「自民は『政治とカネ』の問題を全然反省していない」と批判した。

 共産党の田村委員長は同日、長野県や東京都の都市部で街頭演説を行う予定だ。国民民主党の玉木代表は宮城、秋田、山形の各県で遊説する。れいわ新選組、社民党、参政党も街頭などで支持を呼びかける。