5回、打者・オースティン(左)のとき赤星(右)の暴投で生還する三走・梶原

写真拡大

 「JERA CSセ・ファイナルS・第3戦、巨人1−2DeNA」(18日、東京ドーム)

 レギュラーシーズン3位のDeNAが、同1位の巨人に競り勝って3連勝とし、2017年以来の日本シリーズ進出に王手をかけた。崖っぷちの巨人は反撃できるのか。デイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏が第4戦を占った。

  ◇  ◇

 巨人は打線を組み替えてシリーズの流れを変えたいという阿部監督の思いが伝わってきました。二回に4番・岡本和選手の先制ソロで主導権を握ったように見えましたが、追加点を奪えなかったのが痛かったですね。

 三回は1死満塁で大城卓選手が放った中前に抜けそうな打球を、牧選手の好守に阻まれてしまいます。前打者の岡本和選手を申告敬遠して満塁策を取った三浦監督の采配が当たりましたし、試合の流れを引き寄せる大きなプレーになりました。

 それになんといってもオースティン選手の存在感ですね。四回の右翼席への同点ソロは外角高めの球をコンパクトなスイングで捉えたオーステン選手らしい一発でした。五回の赤星投手の暴投も打席での威圧感が指先を狂わせたように感じました。巨人にとっては調子に乗らせたくない打者でしたが、短期決戦でもバットは振れていますね。DeNAもバント失敗や盗塁失敗など、流れを手放しかねないプレーがありましたが、中継ぎ陣がよく踏ん張りました。

 巨人はいよいよ崖っぷちに立たされました。苦しい状況で、まずは一勝をもぎ取りたいですね。勝てばアドバンテージを含めて2勝3敗になります。もう気持ちを切り替えるしかありません。レギュラーシーズンでも厳しい試合を勝ってきました。リーグ覇者の意地を4戦目にぶつけてほしいと思います。