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野菜の生産者と小売店を独自の流通システムでつなぐ取り組みです。きょう(17日)から岡山県で始まった「やさいバス」。一体どんなサービスなのでしょうか?

【写真を見る】「売りたい値段で売れる場所を」バスが注文元の小売店まで運び込んでくれる「やさいバス」始まる 【岡山・玉野市】

午前10時過ぎ。野菜や果物を扱う玉野市の直売所に、市内で農業を営む女性がやってきました。

ーこちらは野菜ですか?
「なすびです」

ーこちらに卸されるんですか?
「こちらからバスに乗せて出荷します」

運び込まれたのは、けさ収穫したばかりというナスとレモン。送り先には、「バス停」の文字が。積み込むのはきょう(17日)から岡山県で運行が始まった、「やさいバス」

指定の施設に生産者が持ち込んだ野菜を「バス停」で回収し、スーパーなどの小売店に直接届けます。

(ひろはた農園・廣畑泉さん)
「私たちの農園からスーパーまで片道30分くらいかかるのが普通なんですけど、いろんなところにバス停を置いてくれているので、すごく助かります」

「やさいバス」の仕組みとは

まずは運営会社が小売店からの注文をウェブサイトで受け付けます。すると発注を受けた生産者が価格を設定しバス停となる近くの集荷場に野菜を持ち込み。手数料15%でバスが注文元の小売店まで運び込んでくれるというものです。

集荷から2時間後には、デパートなどの小売店へ。採れたての野菜が店頭に並びます。

(やさいバス・加藤百合子社長)
「売りたい値段で売れる場所を探すのに、農家自身でその場所まで持って行かないといけないという仕事が発生してしまっていたんですけど、やさいバスにバトンタッチできるというのは大きいことかなと」

これまで、各地のスーパーを自分たちでまわって野菜を納品をしていたという農家の廣畑さん。半日かかっていたというその作業が、今後はバス停への持ち込みで完了するといいます。

(ひろはた農園・廣畑泉さん)
「早く納品させてもらって、そこから自分たちがしたい草刈りとか手入れとかの作業に手を回していけるので、より良い野菜を作りたいと思います」

小売店側はウェブサイトから個別に注文ができるので便利なシステム・やさいバスは当面の間週に2回、県内5か所で集荷・3か所に配送予定ですが、今後、段階的にルートを増やし販売する小売店も拡充していくということです。

岡山でも画期的な流通システムとなるのか。採れたての野菜と生産者の思いを乗せて、やさいバスは走ります。