牧島 輝・有澤樟太郎・桜井玲⾹が出演、音楽朗読劇READING HIGH noir 『HYPNAGOGIA』満員御礼で閉幕 キャスト写真が到着

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room NB(ソニーミュージックグループ)が、劇作家・演出家の藤沢文翁と立ち上げた音楽朗読劇ブランド、READING HIGH。その新たなプロジェクト「READING HIGH noir」(読み:リーディングハイ ノアール)の第1回公演となる『HYPNAGOGIA~ヒプナゴギア』が、東京・イイノホールにて2日間4公演にわたり上演され、満員御礼で閉幕。オフィシャルレポートならびにキャスト写真が到着した。

出演者に牧島 輝・有澤樟太郎・桜井玲⾹、の実力派俳優を迎えた本作は、2018年に上演された『HYPNAGOGIA~ヒプナゴギア~』の再演。今回は新しい試みとして、各キャストの歌唱パートを含む、リーディングミュージカル形式に再構成された。

舞台は19世紀イギリス。ある日、医者(牧島)が訪れたコンサート会場で、かつて無名のピアニストだった親友(有澤)と数年ぶりに再会するところから物語は始まる。

医者を演じた牧島は、説得力のある力強い声。その親友であるピアニストの有澤の声は繊細で優しく、そこに桜井の無邪気で愛らしい声が重なり、3人の声のバランスも秀逸だった。また、今回の再演にあたり追加された、それぞれの歌も見どころ。特に有澤と桜井のデュエットでは、ふたりだけの“秘密の関係性”が表現され、儚くも美しいハーモニーが会場を包み込んだ。そして牧島のソロ曲では、親友を思う気持ちがこもった、魂を揺さぶる歌を披露した。

これまで、きらびやかさや豪華な演出を求めてきたREADING HIGHが改めて着目したのは、「noir(黒)の可能性」と呼ぶ、想像で補う部分。朗読劇本来の「欠落のアート」としての美しさを、もう一度見つめなおし、追い求めたいと始まったのがこのプロジェクト「READING HIGH noir」。「各セクションが、みんなの思う黒(noir)を目指し、共に創り上げていった作品になった。」と脚本・演出の藤沢は言う。その言葉の通り、布のドレープと、宙を舞う大量の楽譜が印象的なステージセット。照明の色や当たる方向により表情ががらりと変わり、その陰影でさらに奥行きを感じる幻想的な空間に。

そしてブランド名に音楽朗読劇とある通り、READING HIGHシリーズの大きな魅力のひとつは、バンドメンバーによる生演奏。今回は作曲・音楽監督でもあり、チェリストの村中俊之と、ピアニストの白井アキトの2名が担当。ミニマムな編成でありながら、何度も楽器を変えてバリエーションに富んだ演奏と豊かな旋律は、時に心情に寄り添うようにやさしく、時に激しくダイナミックに物語に厚みを持たせた。本作は、無名のピアニストが夢の中である女と出会い、彼女から得た曲と超絶技巧で一躍有名になっていく様が描かれている。そのストーリーにリンクする高難易度の曲が、村中と白井の卓越した技術で披露され、観客の胸を打った。生配信された千穐楽公演は、10月23日(水)までアーカイブ映像も配信中。

また、今週末10月19日(土)、 20日(日)には、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、『HYPNAGOGIA~ヒプナゴギア~』 の姉妹作、『THANATOS~タナトス~』が上演。こちらの公演には、相葉雅紀・早見沙織・大塚明夫が出演する(※『THANATOS~タナトス~』は後日配信も予定されており、詳細は追って発表される)。