Photo: chisato kuroda

現在、フロリダ州マイアミで開催中のAdobe(アドビ)のカンファレンスAdobe MAX。

今回、Adobeのご招待でカンファレンスを取材できたんですが、このたび新たに登場したツールや機能は、より幅広い多くの人たちが日常的に使用できるよう、デスクトップを超えてウェブやモバイル版での提供があったのが印象的でした。

なかでも私の心をつかんだのは写真編集ツールLightroomのモバイル版。今回のアップデートでは、「クイックアクション」と「生成AI削除」の強化が発表されました。

これまで、仕事以外でLightroomを使うことはないかなーと思っていたんですが、実際に試してみると写真の編集がより手軽に、そして誰にとっても身近になる要素が詰まっていたんです。

AIで写真編集がもっと楽しく

今回搭載されたクイックアクションでは、まずAIが写真の内容を検知。それぞれ人物や景色が写っていたりするわけですが、その内容に応じてオリジナルの編集項目を提案してくれるのです。

例として、こちらの人物写真をアップロードしてみます。左下のペンアイコン「アクション」を押すとAIが解析をスタート。

左: 解析中 右: 解析後

数秒で解析が終わると、編集項目に「被写体」「背景」「レタッチ」が現れました。それぞれ被写体の情報に基づいてフィルターを自動的に作成したり、ぼかしのニュアンスや人物のレタッチを提案してくれます。

左から「被写体」「背景」「レタッチ」

さらに「自動」を押すと、明るさや彩度など細かな部分を自動で一括調整。一瞬で最適化してくれるのは便利ですし、AIがどう編集したのかをビフォー/アフターで見るのは面白い。

「自動」で編集した写真。全体的に彩度と明るさがグッと上がり、さらに臨場感のある写真に

一方、ビーチで撮影した写真をアップロードしてみると、編集項目には「空」が登場。

ここでは空の配色が変わるフィルターを提案してくれました。早朝に撮った水色の空が、「サンセット」フィルターによって綺麗な夕焼け空に早変わり。これは素敵すぎる…!

不器用でも使える生成AI削除

そして、今年5月に早期アクセス版として発表されていた生成AI削除が今回正式にリリース。

右下の消しゴムアイコンから「オブジェクトの検出」をオンにすると、削除したいオブジェクトを適当に囲むだけで選択ができ、毎回こまか〜く正確になぞる必要がなくなったんです。

試しに、この写真に映り込んだ黄色いシャツの人物を検出→削除してみました。

テキトーになぞるだけでオブジェクトを検出してくれます

範囲を選択するのはめちゃくちゃ楽なのですが、肝心の削除自体があまり上手くいかない…。もっと小さなものであれば綺麗に削除できるのかもしれません。こちらは改良を待つしかないかも?

削除した跡にモヤっとしたものが浮かび上がってしまいました

ただ、なんと言ってもすべての操作が直感的でわかりやすい。

テクニックが必要で、なんとなく敷居の高いイメージのAdobe製品でしたが、スマホでクイックに操作できることで、写真編集しかり、Lightroom自体をグッと身近に感じることができました。

これら2つの新機能は、Adobe MAXでの発表にあわせて早期アクセスが使えるので、ぜひ試してみてください。その時はぜひともスマホで。きっと写真を撮ることだけじゃなく編集することも好きになりますよ。

Photo: chisato kuroda
Source: Adobe