Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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やり直し裁判=再審で無罪判決となった袴田巌さん。4日、都内で弁護団が会見を開き、検察が控訴したとしても新たに提示できる鑑定証拠があると発表し、検察は控訴すべきではないと訴えました。

58年前の一家4人殺害事件で、死刑が確定した袴田巌さんの再審=やり直しの裁判で、9月26日、静岡地裁は、犯行着衣とされた「5点の衣類」について捜査機関によるねつ造を認定し、袴田さんに無罪を言い渡しました。

弁護団は、会見で、事件から1年2か月後に味噌タンクから見つかり、裁判の最大の焦点となった「5点の衣類」に付着した血痕の“色”について、光学の専門家に依頼し色味を数値化することができたと明らかにしました。

鑑定の対象としたのは、専門家が、弁護団、検察がそれぞれが行った独自の味噌漬け実験の写真や、第二次再審請求で開示された「5点の衣類」のカラー写真。

弁護団・検察官の実験で、1年以上味噌漬けされた血痕の写真は、色の鮮やかさ(彩度)が失われている一方、「5点の衣類」のカラー写真については、色の鮮やかさ(彩度)が失われていないことが明らかになったということです。裁判で主任弁護人を務めた小川秀世弁護士は、この結果を公表することで、検察に控訴の早期断念を訴えています。

(弁護団 小川 秀世 弁護士)
「赤みが残っているかどうかは主観的な部分が残っていたので決着をつける。検察官に控訴を断念させる。我々もこういう武器があるということを示すことによって、強力な武器があるということを検察に訴えたい」

検察が10月10日までに控訴しなければ、袴田さんの無罪が確定します。